マザーズ・ロザリオ編
終章・全ては大切な者たちのために
―《剣帝》―
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
2週間後。
「「本当に申し訳ありませんでした」」
「ダメ」
「許さん」
「ダメだね」
「うん、ダメ」
ボロボロの体を引きづりながら誠心誠意行った土下座が即答ではね除けられる。ちなみに木綿季、和人、明日奈、直葉の順だ。
「……理不尽だ」
俺は完全に私情だからともかく、ほぼ関係ない沙良はこの内3人を命懸けで守ったはずなのだが……。
「螢が悪いよ!」
「そうかもしれんが……。てか木綿季、お前もう動いていいのか?」
「私が連れてきたの」
そう宣う明日奈さん。
良いのか?良いならいいけど。車椅子とはいえ、外を動き回るのはいかがなものか。
あの短時間テロは報道こそされたものの、内容は『新興宗教が起こした愉快犯的な行動で事前にそれを突き止めた公安警察が鎮圧した』ということになったらしい。
関係者には当然箝口令が敷かれたが……特に和人と明日奈、お前らいったい幾つ敷かれてんだ?主に俺関係で。
と、そこへ
「なんだ元気じゃないか。不良息子に不良娘」
雪螺を伴った悠斗が病室に入ってきた。
「……参考までにどうやったらそんなに見えるか教えてくれ」
「生きてるじゃないか」
「…………」
この無茶苦茶理論を平然と言い放つ所が流石は蓮兄の親父……。
「……ま、皆も許してくれ。こいつらが居なかったらどうなってたから分からないからね」
雪螺が4人に向かってそう言うと不承不承といった様子で頷いた。
30分程談笑し、木綿季達が帰った後、悠斗は急に真面目な顔に豹変して告げた。
「例の件、調べがついたぞ。務所から拐われた――いや、脱獄させられた奴等で山東関係者以外は『須郷伸之』、『新川昌一』……後、死刑囚数名。行方は分かっていない」
「ちっ……。やっぱり奴等のバックには山東の影があったか」
「……これはだけ皆さんに知らせておいた方がいいですね」
「大方の話は母さんから聞いたよ。その事は爺さんから伝えて貰おう。水城の者をSSに付ければいい」
「ああ、お願いする。それで……姉さんは?」
すると悠斗はどう伝えたものかとしばし考える仕草をすると、おもむろに言った。
「爺さんは螢の判断に任せるそうだ。……思うところはあるだろうが―――」
「いや、いい。直ぐに保護してくれ」
「……分かった」
桜はまだ山東に命を狙われる可能性がある。それを考えると保護しないわけには行かなかった。
「螢、お前の腕を奪ったヤツとその組織は恐らく山東と結託している。狙いは――分かっているな?」「ああ……」
いづれ合間見える事になるだろう仇敵。左腕の接合部が疼く。
「■■■■■」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ