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空を駆ける姫御子
第十一話 〜空を駆ける【暁 Ver】
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確か熱心な教徒の方から紅茶をいただいたわね?」

『はい。GFOPのセカンドフラッシュだとか』

「それをお出しして。お願いね」

 日々の仕事に忙殺されていたカリム・グラシアは、二人の来訪を心待ちにしていた。オーバーSランクの魔道師をも圧倒する戦闘力。日常のように引き起こす様々な騒ぎ。時折、心底困っているような表情をしながらも、楽しそうに話すはやてを見て興味を持った。彼女が屋根から落ちてきたと聞いた時は、絶句したものだ。カリムはいつもよりも軽い足取りで。ノックされた扉へと歩いて行った。





「後で戦技教官室へ集合ってなんだろうね、ティア」

 現在、彼女たち……辛くもなのはの掲示した条件をクリアし、勝利をもぎ取ったティアナ、スバル、キャロの三人は若く瑞々しい肢体を惜しげもなく晒していた。とは言っても、決して如何わしい行為に及んでいるわけではなく、シャワールームにて汗を流していただけであったが。

「さぁ? 新しいデバイスのお披露目とかだったら嬉しいけど」

 普段は左右で結わえている髪を掻き上げながらスバルの問いに答える。スバルはティアナの形の良い乳房へと視線をやりながら声のトーンを少しだけ落として答えた。

「うん……とうとう壊れちゃったもんね」

 あの戦闘後にスバルのローラーブーツが火花と煙を上げると、うんともすんとも言わなくなったのだ。ティアナのアンカーガンも耐久力が段ボールからティッシュペーパー並みへと落ち込み、撃てば暴発は必至という状態だった。こうして彼女たちを訓練校時代から支えてきた二つのデバイスは、その役目を終えたのだった。

 その二つのデバイスは彼女たちが新しい『相棒』を手に入れた後も、彼女たちの部屋の一角へ誇らしげに飾られる事になる。

「お二人ともご自分で作られたんですよね?」

 それまで彼女たちの均整のとれたプロポーションを羨ましげに見つめながら話を聞いていたキャロが、二人へ問いかけた。

「そう。訓練校で杖型の簡易デバイスが支給されるんだけど、あたしやスバルの魔法、戦闘スタイルには合わなかったから自作しちゃったのよ。アスナのデバイスはお兄さん謹製だし、オリジナルデバイスなんか使ってる人間は殆どいなかったから凄い目立ってたわ、あの娘」

 それを聞いたスバルが笑い声を上げた。

「また、訓練校時代のお話を聞きたいです」

「そうねぇ。今度はとびっきりの、ドタバタを話してあげる」

 そう言いながらティアナはキャロへ向けて片目を(つぶ)った。

「数え上げたらきりが無いもんね。クリスマス騒動、ゴキブ……」

「先、上がってるわよ」

「あ、うん。キャロおいで、髪を洗ったげる」

 一足先に上がったティアナは、髪を丁寧にバスタオルで
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