第十一話 〜空を駆ける【暁 Ver】
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<あんたはまだ見せちゃダメよ。制御出来るようになったばかりでしょ。ここで見せるのは勿体ないわ。違う札を切れば良いだけの話よ、わかった?>
<うん、了解>
さて──── やりますか。
合図と共に四人は散開。スバルは展開したウイングロードの上を疾走しながら、わたしに向かってまっすぐに突っ込んでくる。相変わらずだね、スバルは。繰り出された右正拳を、わたしは右の手のひらで難なく受け止める。良い攻撃だけど、馬鹿正直に正面からは減点だよ。
その時。わたしは本当に無意識に上体をスウェーバックさせる。その瞬間、わたしの頭があった場所をスバルの左足が唸りを上げながら吹き抜けていった。最初の大振りはフェイクでこっちが本命? スバルの手を離し距離をとろうとして……出来なかった。右手首を掴まれる。掴まれると同時にスバルの右腕が、蛇のように絡みついてくる。サブミッション! 心の中で驚愕の声を上げる。シューティングアーツにこんな関節技は……
まずい。完全にわたしのミス。スバルのようなタイプとは距離をとって『魔法』で戦うのが定石だ。完全に舐めていた。接近戦でスバルに対応出来るほどのものは『インパクト・キャノン』程度しかない。それに、今までの訓練で見せていた戦い方と違いすぎる。これじゃまるで──── 考えるのは後だ。魔力弾を叩き込むには密着しすぎている。わたしは舌打ちしながら『障壁』を─── 『オーバーロード』させた。
参った。障壁を展開させたかと思ったら、吹飛ばされた。アスナだったら障壁そのものを無効化している。うん、違うな。手首を掴んだ時点で終わらせている。なのはさんの強みはやっぱり、使う魔法の多様性だ。デタラメだよね、ホント。だけど、あたしもただ吹飛ばされただけじゃないけどね。
おかしい。スバルに掴まれた手に力が入らない。スバルから後で話を
「考え事ですか?」
わたしは振り向きざま待機させていた魔力弾を撃ち込む。それは陽炎のように、ゆらりと形を歪め……消えていった。シルエット、か。
「Bingo」
わたしの横から聞こえたその声に視線を向けると、訓練場へと縦横無尽に張り巡らされたウイングロードの上にいつの間にかティアナがいた。ティアナは勝利を確信するように笑い、アンカーガンの銃口をわたしへと向ける。放たれた魔力弾はわたしを射貫かんと迫るが、わたしは難なく防いだ。シルエットを使った撹乱は見事だけど、後ろがお留守だよ。
わたしは容赦なく魔力弾を撃った。狙いは寸分違わずティアナへと着弾。彼女は一瞬苦悶の表情を浮かべたが……口角をつり上げながら消え|て《
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