GGO編ーファントム・バレット編ー
60.死の正体
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..!」
瞬間、ぴくりと全身を震わせた。
ある。たった一つ、今の自分がアクティブに行える《攻撃》が。どこまで効果があるかは判らないけどーーでも、やってみる価値はある。
大きく息を吸い、ぐっと奥歯を噛み締めて、彼方の戦場を見据えた。
「ありがとうございます、レイナさん!」
駐車場にバイクが止まるや否やヘルメットを脱ぎ、走ってエントランスを目指す。大きなエントランスがある。自動ドアは電源が落ち開かず、その脇の夜間面会口のガラス戸を迷わず開ける。
面会受付カウンターにいる女性看護師に集也くんがいる部屋番号を告げ、学生証を提示する。菊岡さんが話を通していたので面会者パスをもらい走る。
後ろから、病院では走らないでください、という声を無視し、階段を駆け上がり七階の七〇二五室へと全力でダッシュする。
.......二五室のプレートにパスカードを押し当て、赤のインジケータが青に変わった瞬間、ドアを引き開ける。
個室のある二つのベッド。そこにモニター機械と接続されたコードが幾つも枝分かれして、ベッドに横たわる二人の少年の、剥き出しの胸に貼り付けられている。少年たちの頭には、見慣れたシルバーの円冠、アミュスフィア。
個室には、白衣のナースキャップ。三つ編みにまとめられた髪と、洒落たデザインの眼鏡の看護師と驚きの表情をしているアスナさんが四十インチ程の薄型モニタを凝視している。
パネルの中で、全身黒い服に包み、長い髪を風でなびかせる小柄なアバター。青紫色の刃を右手に構える少女の体から真紅のダメージエフェクトが絶え間なく零れる。その小さなフォトンで、プレイヤー名の表示。【Kirito】。
「お兄ちゃん!」
思わず声が出てしまった。
するとパネル内の画面がその光景を変える。そこには、イグドラシル・シティのモニターで見た少年がそこにはいた。
(よかった。まだ、集也くんは生きてる)
ほっと胸を撫で下ろした瞬間だった。死銃と呼ばれているプレイヤーとシュウが激突。その距離五十センチ弱の距離まで詰める。するとバックステップで回避しようとした瞬間に真紅のダメージエフェクトが飛び散った。
(ーー集也くん!!)
悲鳴を口に手を押さえ押しとどめる。
すぐそばのベッドに横たわる集也くんの顔を見る。額には汗が滲み、表情も少し苦しそうだ。
「......フルダイブ前に多めに水分を取ってもらってるけど......もう四時間以上経つし、こんなに汗をかくと脱水の危険があるわ。一度ログアウトしてもらうことは.....できないのよね?」
看護師の言葉に、アスナさんは唇を噛みながら頷く。
「ここで何を言ってもキリトくんとシュウくんには聞こえませんし......そもそもPvP大会中ですから
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