暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第24話 木の精霊
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ね。……って、あれ?
「父上。《錬金》した肥料は如何したのですが?」
「知らぬぞ。ギルバートが片付けたのではないのか?」
私と父上は無くなった肥料を探して、周りを見渡しました。沼に落ちていれば、作業のやり直しにつながるからです。しかし、肥料は意外な場所にありました。……大樹の根元です。
(木の精霊って、意外にがめついのかな)
そう思いましたが、わざわざ波風を立てる事もないでしょう。
「父上。私があそこに移動しておいた。……と言う事にしておいてください」
「……分かった」
それだけで父上には通じた様です。何かどっと疲れました。
……取りあえず沼の方は、そろそろ十分でしょう。
「そこまでで結構です。終了してください」
私の言葉に、全員が私達の前に集合しました。私は父上に、目で終了の合図を送ります。
「応援部隊は、人骨をドリュアス領まで届けてくれ。後に、碑を建て弔う。エディとイネスは残り、引き続き護衛任務に当たってくれ」
全員が敬礼すると、それぞれの任に当たるべく散って行きました。人骨を運ぶ応援部隊の出立を確認すると、こちらも本番です。
「木の精霊との交渉を始めるぞ」
父上の言葉に、再び木の精霊に呼び掛ける為に小島に移動します。
「木の精霊よ。我々は、貴方との交渉の場を望んでいます。どうか姿をお見せください」
今度は実にあっけなく、木の精霊は顕現してくれました。改めて見る木の精霊は、決まった形を持っている様で、その姿が揺らぐ事はありませんでした。
「単なる者よ。お前達は、同胞が追い詰めた我を助けた。よって、その言葉が真実であると認めよう」
……良し。思わず心の中で、ガッツポーズをとってしまいました。しかしセリフからすると、私が思っていたより困窮していたのでしょうか?
「しかしまだ足りぬ。水源を確保し我に以前の環境を返せ……と、本来ならば言うところだが、重なりし者の知識では難しい事が分かっている。それに、重なりし者をこの世界に送り込んだのは、我にとっても無二の存在だ。邪険に扱う訳にも行くまい」
(重なりし者って、ひょっとして私の事なのでしょうか? と言う事は、無二の存在とは“大いなる意思”の事ですね)
「よって試練を課そうと思う」
(……雲行きが怪しくなって来ましたね)
「水の精霊と接触し、水源を確保する為の交渉を成功させよ」
……なんですと?
「待ってください木の精霊よ。居場所や接触方法は?」
「それも含めた試練だ」
父上が食らい下がりましたが、木の精霊は大樹の中に引っ込んでしまいました。
「……父上」
「分かっている。モンモランシ家に依頼するしかあるまい
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