第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
内なるサクラ
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い。更に言うなら、その間、術者つまりアンタの本体は、ピクリとも動かない人形状態」
まるでミスミの腕の中で首を揺らしていたカンクロウの傀儡のように、チャクラ糸がなければ動けないただの人形でしかなくなってしまう。そもそも心転身の術はスパイ用であって戦闘用ではない。それは乗っ取った体がダメージを受けると本体も同じほどのダメージを受けることからも伺える。
「だからって何よ!? やってみないとわかんないでしょう!?」
「いの、お前金髪だからってナルトみてえな発言しようとしなくてもいいんだぜ……? 第一金髪つっても色合い違うし」
「それいろいろ関係ないと思うってばよマナ」
叫ぶいのに、マナがクソ真面目な顔で呟く。その傍のナルトが顔を傾げつつ突っ込みをいれた。
「外したら終わりよ。わかってるの? ねえ」
やってみなければわからないというのが効く状況は二種類。
一つ、それほどまでに窮地に追い込まれている場合。
二つ、やり直しがきく、つまり死ぬ可能性が低い、もしくはあまり手間をかける必要がなく、素早く次の作戦に移れる場合。
この二つを満たしていなければサクラの言うとおり、失敗したらすべて終わりだ。本物の戦場にあがったらそれは死をも意味する。よって通常、やってみなければわからないというのが通用するのは極少ない状況下に於けることであり、戦場で一か八かをかけるのは余りに危険が多すぎる。
しかしそれくらいいのも承知しているはずだ。もしくは怒りでもう何も考えられないのだろうか。
その上いののこの術はシカマルの影真似と併用しての連携術だ。シカマルの影が相手の影を縛ってもくれないのに一体どうやってサクラにあてるつもりだろう。
狙い難くさせるためだろう、さっとサクラが走り出した。金髪が彼女の足に散らされる。ぐるりといのの周りを走って一周するサクラを見ることなく、ただいのはサクラが元いた場所に戻るのを待って――
「ばかっ、よせ!」
そんなシカマルの声も虚しく、いのは既に術を発動していた。
「忍法・心転身の術!」
サクラが思わず立ち止まったその瞬間、どさりといのが膝から地面に崩れ落ちた。試験場を静寂が覆う。
「どっちだ……?」
今立ちすくんでいるサクラの体内にある精神は誰のものだろう。ふふふ、とサクラが笑い声をあげた。
「残念だったわね――いの」
サクラ、だった。
「万事休すか……」
「やっちまったぁ……」
シカマルとチョウジがあちゃー、という顔をする。
「じゃあ、終わりね!」
そういって彼女が踏み出そうとした瞬間、サクラは自分の足が何か縄のようなものに引き止められるのを感じた。
「これはっ……?」
前方、崩れ落ちたはずのいのの両手が
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