第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
内なるサクラ
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ない時
――いい案ね。……私も、その時まで
額宛ては違うところにつけていようと、そう胸のうちに小さくつぶやいて、笑ったあの時。サクラのこの行動が意味するのは、これからはもうライバルでもなく親友でもなく、一人のくノ一としていのと対峙するということなのだ。
「わかったわ、サクラ」
そして二人の額宛ては、各々額に巻きつけられた。
――今度こそ、全力で、正々堂々……勝負!!
二人は奇しくも胸の中で同じ言葉をつぶやき、そして互いに飛び出した。
いのの拳とサクラの拳がぶつかり合ってうなりをあげた。それを見ていたほかの試験参加者たちが目を見開く。先ほどまでいささか子供っぽく思われる喧嘩をしていた少女たちであるとは思えないほどに迫力があったからだ。
一旦距離を取って構え合う。親友だからって手加減はしないし、知り合いだからって容赦はしない。――絶対に。
二人は再び飛び出した。走りながらサクラが印を組む。途端サクラが三人に増えた。
「ただの分身の術? アカデミーの卒業試験じゃないのよ! そんな教科書忍法であたしを倒せると思ってんの!?」
――じっくり見極めればどれが分身なのかくらいすぐに……!
――チャクラを一気に足へ……、そして、地面を弾くッ
チャクラコントロールだけなら、サスケよりも上手い自信があった。一気に足にためたチャクラで床を弾きいのに急接近、どれが本物かを見抜かせる暇を与えさせない。
――早いッ!
すぐに目と鼻の先に接近してきたサクラをどれが本物か見極める術もなく、いきなりうち二体が消えるなり、チャクラのこもったサクラの拳がいのに命中した。吹っ飛んで床を転がるいのに、サクラが宣言する。
「今までの泣き虫サクラだと思ってると、痛い目見るわよ! 本気できてよ、――いの!」
確かにサクラはもう前のサクラではないのだろう。いのは体を起こすと、「そう言ってもらえると嬉しいわあ」と出来るだけ不敵に言ってのけた。
「お望み通り、本気でいくわよ!」
再び飛び出した少女二人の拳が交錯する。サクラの右手の拳はいのの左手に受け止められ、反対にいのの右手の拳はサクラの左手に受け止められていた。となるとここからはどちらの力が大きいかが勝負になる。各々の右手を前に押したり左手で押し返したりしながら、二人は睨み合った。
後ろに飛び退って距離を取り、双方同時に手裏剣を投擲。弾かれあった手裏剣が火花を散らす。
それから十分ほど経ち、腹を空かせたマナが地面に寝そべりながら二人の試合を見るようになってもまだ、二人の戦いは続いていた。不意に同時に出された拳が各々の顔に命中する。お互い吹っ飛ばされる様子に、うわあ、とナルトが顔をしかめた。
「っあんたが私と互角なんて、あるはず無いわよ!」
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