第2話:ハイジャック事件−2
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そこにはゲオルグが狙撃犯たちを捕えた倉庫が写っていた。
「これがどうした?」
ゲオルグはそこに見るべきものを見出せず、鋭い目を画面の中のルッツに向ける。
「倉庫の出入り口付近を見てください。 建屋の左側です」
人によっては目が合った瞬間に震え上がって背筋を伸ばすものもいる
ゲオルグの睨むような目線をルッツは飄々と受け流して言う。
ゲオルグも厳しい表情のままではあるが、ルッツの言に従って画像の中にある
倉庫の左側に目を向ける。
(ん?)
ゲオルグはそこに何かを見つけ、身を乗り出して目を凝らす。
「これは・・・人か?」
「そうです」
ルッツの言葉を聞き、ゲオルグは下を向いて自分の記憶をたどる。
(俺が降下した30分前ってことは・・・)
そこでゲオルグはルッツが言わんとしていることの意味を理解し、
勢いよく顔をあげる。
「この画像は最初の狙撃の後ってことになるよな。
その時間、この場所に人が居た。つまり倉庫から誰かが出てきたってことか?」
「そうです」
「通りがかりの可能性は?」
「ないですね。 自分も先ほど現地を確認してきましたけど、
その人物が立っている場所はその倉庫の敷地内です」
ルッツの言葉を受けて、ゲオルグは小さく唸り声をあげる。
「ということは、コイツは最初の狙撃から俺が降下するまでの間に
倉庫から出て行ったとでも?」
「そうです。 現にその時刻から5分後には、200mほど離れた地点にある
監視カメラに同じような格好の人物が写ってます」
「なるほどな・・・」
ゲオルグは小さくそう言うと、腕組みをして考え込む。
しばらくお互いが無言のまま時間が流れる。
「そのあとの足取りは追えてるのか?」
再びゲオルグが口を開いたのは1分ほど経った後だった。
ゲオルグの問いに対してルッツは肩をすくめて首を横に振る。
「この人物の足取りが追えているのは衛星写真の5分後までです。
いろいろ探しましたけど、ぱったりと途絶えてますね」
「映像以外も調べたんだろうな?」
「それはこれからです」
ルッツの言葉にゲオルグは頷く。
「判った。 ならできる限り追ってくれ。
こっちでも明日から取り調べを始めるが、ひょっとすると予想もしない
背後関係がそっちの調査結果から出てくるかもしれないからな」
「了解です。 それでは」
ルッツはそう言って敬礼すると、通信を切った。
消え去った通信ウィンドウのあったあたりを眺めながら、ゲオルグはふぅっと
大きく息を吐く。
(衛星写真に写っていた奴が仮に事件に関係していたとして、
なぜ作戦途中で現場を放りだして逃げたんだ?
し
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