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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第2話:ハイジャック事件−2
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もご活躍でしたね」

「それはどうも。 ところでいいんですか、あっちに行かなくて?」

ゲオルグが顎をしゃくるようにして人の輪を指すと、男はちらりと目をやってから
ゲオルグの方に向き直り乾いた笑い声をあげた。

「あんな上っ面の情報なんか後でなんとでもなりますよ。
 私としては、シュミットさんのお話を伺いたいんですよ」
 
「ま、ネオンさんにはいつも情報をもらってるので構いませんけど、
 後にしてもらえませんか? 今はちょっと急いでるんで」

「あ、そうなんですか・・・。じゃあ、明日あたりどうですか?」

「いいですよ。 じゃあ、いつも通りに」

「ええ、それでは」

ゲオルグはネオンに向かって軽く頭を下げると、くるっと向きを変えて
警備部隊の隊舎の方へと足を向けた。

「すまない」

「いえ、とんでもありません」

ゲオルグは鼻から小さく息を吐いてから車を運転してきた男性に謝ると、
その脇を抜けて隊舎へと入って行った。
入り口を抜けロビーに入ったところで一人の女性士官が立っていた。

「シュミット2佐、お待ちしていました」

「ああ、ご苦労・・・」

うつむきがちに歩いていたゲオルグが顔を上げながら返事をする。
だがそこに立っていた女性士官の顔を見たゲオルグは驚きで足を止める。

「姉ちゃん!?」

思わず裏返った声をあげるゲオルグに対し、女性士官・・・エリーゼは、
上官に対する態度を崩そうとしない。

「ウォルフ司令がお待ちですのでこちらへどうぞ」

「え? うん、ありがと」

ゲオルグは姉の態度に戸惑いながら姉の後について行く。
足早に歩くエリーゼの背中を追いながら、ゲオルグはエリーゼに向かって
声をかける。

「なんでこんなところに姉ちゃんがいるんだよ?」

だが、エリーゼは振り返ることもなく無言で先を急ぐ。
不審に思ったゲオルグはエリーゼの肩をつかんだ。

「おい、姉ちゃん。 返事ぐらいしろって!」

足を止めたエリーゼはゲオルグの方へ振り返ると、右手を振り上げた。
そして・・・ゴンっ!という音があたりに響く。

「痛てぇぇぇっ! 何すんだよ姉ちゃん!?」

エリーゼが振り上げた右手はゲオルグの脳天へと振りおろされた。
抗議の声をあげるゲオルグに向かってエリーゼも負けじと声をあげる。

「わたしがせっかくあんたに気を使って階級に応じた対応をしてあげてんのに
 なんであんたのほうからぶち壊すわけ!?」

「いや、頼んでないから。 ていうか、姉ちゃんに敬語使われたらキモい」

「ぬわぁぁぁんですってぇぇぇぇ!」

両方の眉を吊り上げたエリーゼが両手を腰に当ててゲオルグに迫る。

「どわっ! ゴメン姉ちゃん、
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