暁 〜小説投稿サイト〜
IMITATION BLACK
新しいようで新しくない使い古した日常。 「青」

[8]前話 前書き [1]後書き [2]次話
楽器が叩きたかったわけじゃない。

ただ、なんとなく、俺の居場所がここにしかない気がして。

この、馴染みのスタジオにいる。

ここなら、仲間と過ごしたこのスタジオなら、多少は落ち着ける
と、そう思って。

でも、スタジオには、誰もいなかった。

レンも、樂も、…リンも。

居るのは俺1人。

俺は独り。

なんとなく、学校に行きたくなくて、講義を初めて休んだ。

なんとなく、家にいたくなくて、無断外泊を初めてした。

スマホも電源を落としてある。

ただ、俺は臆病で。

スタジオのオーナーに一晩だけ置いて下さいと頼んだから、きっと
俺が連絡していなくてもオーナーが連絡してくれているだろう。

中途半端で嘘つきな俺は、中途半端な事しかできなくて。

講義だって、休んだだけでサボったりはしてないあたり、中途半端だ。

頭の中には色々様々な想いがぐちゃぐちゃになるけど、その全てが口から
出ることはない。

どれくらいそうしていたんだろうか。

気付けば日は傾き始めていた。

ああ、高校はもうすぐ放課後になるな、とぼんやり思った。



認めたくないのは誰だって同じ。 同じ、だと思っていた。けど…
[8]前話 前書き [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ