第七十二話 揺らめく情勢
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、それはこれからも変わるつもりはない」
「つまり、自身らの信念が脅かされるまで動きはないと?」
「否――――ただ停滞を望むこととなれば他者の外圧に耐えることが出来なくなる。我としても最善と言える手を探しているのだよ」
その発言を聞いてカガリは驚きを露わにする。オーブの影の軍神とまで呼ばれる様な目の前にいる人物ですら最善の手が何なのかを探し、手をこまねいているのだ。
「ギルバート・デュランダル――――どうもあの者はまだ何か真意を隠しているように見える」
「それじゃあ、彼の本当の目的は別にあるって事なんですか?」
キラが思わずといった様子で問いかけ、ミナもそれに対して自身の予想を応える。
「やもしれぬ。どちらにせよ、我の勝手な推測に過ぎないがな」
ミナのその様子からして、アメノミハシラの今後の動きは少なくともただ静観するというわけではないようだという事が分かった。
「もし動くという事になったなら、その時は私達に手を貸してほしい」
「――――いいだろう。確約は出来ぬが機会があるならば手を貸そう」
◇
連合部隊が壊滅し、コロニーレーザーの危機も去ったことからプラント防衛の為に展開していた部隊は一度部隊を集結し直していた。いよいよデスティニープランを実行するためにザフトの部隊を動かし始めていたのだ。
「これがデスティニープラン最大の要となるメサイア――――」
アスランは厳しい顔つきをしながら戦闘が終わり、実際にデスティニープランを実行するために用意されたメサイアと呼ばれる要塞のデータを確認する。遺伝子解析のシステムを担う殆どの技術は軍事要塞内部にあるらしい。アスラン自身はそのメサイアに搭載されているシステムやデスティニープランにおける準備よりも、外部から見て要塞の中央部に存在する一つの砲口に目が向いていた。
「これは……まさか?」
「ネオ・ジェネシス――――メサイアに搭載された最大火力の防衛兵器。かつてのジェネシスが地球圏すら滅ぼすことの出来る威力を求めて造られたのに対して、運用性を重視した兵器さ」
「クラウか、何故ここに?」
アスランはミネルバにシン達と共に後方で待機していたが、クラウは前線に出てザフトの大型MA――――ノイエ・ジールUの護衛にあたっていたはずである。
「ミネルバにはメサイアに向かうよう指示が渡されてね。マーレや議長の乗っている旗艦は既にメサイアに向かって出航している。通信でも問題はないんだけど手間を考えると俺がミネルバに行って伝えた方が楽だからさ。後、君らフェイスのパイロットはミネルバがメサイア周辺部に到着後に議長の所まで行くようにとのことだって」
どうやらアスラン達ミネルバの部隊はメサイアの防衛部隊に回されるよう
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