暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティア
一部【スサノオ】
五章【ヒトガタ】
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ろ?」

と、ニカッと笑って見せるジャック。

「あぁ、はい俺でよければ…」

「おいおい、おんなじチームなんだから堅苦しくなるなよ。タメ口でいいんだぜ?」

そういってジャックが零の背中を強く叩く。

「あ、えぇっと…じゃぁ慣れてきたら…」

いつ慣れるんだよ、と更に強く叩くジャック。

「さて、と。あと二人か…周りは粗方組み終わっちまったみたいだし俺たちは余りも…」

と、ジャックは言葉を途中で切ると見渡していた視線を止めた。
その視線の先には先ほどGMに質問していた女性の姿。

「さっきの女か。…まぁ、余り物同士仲良くなれるだろ。なっ、零!」

「だといいですけど…」

すっかりジャックのペース。
ジャックはその女性へと歩み寄ると誘い始めた。

「なぁ、あんたも余った口だろ?俺たちとチーム組もうぜ?」

「はい?」

不機嫌そうに振り向く女性。
銀髪の長い髪の毛がさらりとなびく。
さっきは暗くてわからなかったが、シルクハットに赤いジャケット…一見どこぞの手品師のような外見をしていた。

白い綺麗な肌に茶色の瞳。
黙っていれば中々の美人だろう。
…そう、黙っていれば。

「余り物とは心外ですわね。貴殿みたいに気持ち悪い人と一緒にしないでくださる?」

…毒舌に漫画のようなコテコテのお嬢様節。
零は唖然とするジャックを見て笑いをこらえるので必死だった。

「マジかよ…なんだそれ、キャラ作りなのか?…マジでそのキャラだったら流石の俺でも引くぞ…」


「ほんと、なんなんですの!?失礼が止まらない方ですわね!このゲス!」

(どっちがだよ…)

おそらくジャックも心の中で同じツッコミをいれたのだろう。
非常に困った顔をしている。

「まぁまぁ、そう怒らないでくれよ。失礼馴れ馴れしいは俺の性分なんだ」

「なんなんですのまったく!」

「でもまぁ、どの道もう俺と零とアンタの3人しかいないんだから組む他ないんだ。仲良くしようぜ」

「零?もしかしてそっちの冴えない男のことですの?冗談でしょ…」

女性に睨み付けられ、零は「冗談でしょはこっちのセリフだよ」と思いながらも苦笑いで返した。

「ところで、アンタの名前は?ずっとアンタじゃ気分悪いだろ?」

すっかりジャックのペースにのせられため息をつく。

「クラウリーですわ。まったく、いいですこと?貴殿方と組むのはこれで最後ですからね!」

「はいはい。ちなみに俺の名前はジャックだ。よろしくな!」

握手しようとジャックがスッと右手を出すが、クラウリーはそれを無視して武器を選択する。

クラウリーの手元に出現したのは意外にも、外見や話し方に似合わない身の丈を大きく超える槍だ
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