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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 B
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水の上に乗りながら、美羽は左目を隠していた髪をどかし、猫のようになっている左目で辺りにいる妖怪を見る。
すると、見られた妖怪たちが動けなくなったかのように固まるので、

「目覚めよ、“天之尾羽張(あめのおはばり)”!」

それを、右腰に差した刀のうちの一振りを抜いた匁が、一気に切り刻む。
ここまでの流れは、かなりスムーズなものだった。

まず、美羽が使った力についてから説明しよう。
彼女の一族は呼び名の通り『化け猫交じり』。化け猫の血が混ざっている。
妖怪達の動きを止めたのは化け猫が使う妖術、『猫操り』、相手やものの動きを操る妖術だ。
とはいえ、かなり昔に混じっているため血は薄く、普通ならばたいした力は発揮されない。
では何故美羽は力を振るえるのか?それは、彼女は化け猫の血を隔世遺伝したからだ。
そして、彼女はその力を操ることが自然と行え、第五席となった。

次に、匁が使った刀について。
これはイザナギがカグツチを斬る際に使ったとされる神刀で、また、後には神の名ともなる。
ただそれだけの刀だが、それでも神が使い、神を殺すだけの刀、かなりの力を持っている。
そういった只者ではない刀を使いこなすのが、匁が習得した奥義、『刀使い』である。

「おー、これまた一気に減ったなー。」
「こうでもしないと・・・なかなか減りませんし、」

美羽はそう言いながら自分達の上空を見て、

「殺女さんから、気をそらさせれませんし。」

自分の背後に金剛力士像のビジョンを漂わせる、殺女の姿があった。

「わが身に宿りしは全てを砕く力。我が前に残るものはないと知れ!」

言霊を唱えながら降ってきた殺女は、妖怪達との距離が縮むと拳を放ち、拳圧で一気に妖怪どもを潰す。

殺女の家が継承していく奥義は『金剛力』。
これは何にも複雑なことはい、純粋な力そのものだ。
その力は山河にとどまらず、この世の全てを破壊しつくすことができるものである。

「妖怪が押し花みたいに潰されたな。」
「そんな綺麗なものじゃない・・・です。」
「まあ、ただの死体だしな。これだけあるとさすがに邪魔か・・・式神展開、“封”。異形なる骸を封印せよ。」

一輝は“封”の式神を全て展開し、死体を封印していく。

「じゃあ、次は俺がやるかな、っと!」

一輝は大量に準備してあった水を環状の刃とし、一気に放つことで三人の日じゃない量の妖怪を殺す。
陰陽師としての力ではなくとも、一輝の実力はけた違いなのだ。

「ここまであっさりやられると・・・自身失うな~。」
「まあ、仕方ないだろう。一輝は霊獣殺しなのだから。」
「それに・・・陰陽術の類とは、違いますし・・・」
「それ以前に、どこから来た力かすら分からないし、いつ何が起こること
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