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真・恋姫†無双~現代若人の歩み、佇み~
第三章:蒼天は黄巾を平らげること その4
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そして布団から這い出ると、脱ぎ捨てた己の衣服を掻き集めていく。

「ではそろそろお暇させてもらうとするか。着替えの時まで襲わないでくれよ?」
「そこまではがっつかないって。・・・まぁ、嵩蓮は魅力的だから、そそられたらやるかもしれないな」
「若いとは、素晴らしいものだ」

 皮肉めいた口調であるのに、孫堅は見せびらかすように立ちながら寝汗を拭いていく。仁ノ助が呆れかえるのは自分自身の欲求であった。彼女の豊満な躰を走る筋肉が伸縮し、肉体が落とす陰が変化して優美に肌を彩る様はとてもそそるものがあり、また桃色の気分がぶり返して来たのである。孫堅はその素直な反応に微笑を浮かべながら、まるで事を起こしてくれと言わんばかりに己を露わとし、見目麗しき裸体に清潔な白布を走らせていく。
 結局、彼女が天幕を後をしたのはそれより一時間も後の事であった。気分を高揚させた若人につられてそれに応えてしまい、心身健常にして節制の人物を嘆息させるような、倒錯的な運動に勤しんでしまったためであった。愉しむ時間すら惜しいと言わんばかりに、寝起きの辛苦をものともせず運動は激しく、しかし静かに行われ、仁ノ助が情けない呻きを上げるまで絶え間なく続いた。孫堅は終いに、泥濘のごとく執拗で気焔のごとく熱烈な接吻を交わすと、ようやく衣服を着て外に出た。誰ぞに疑われる事が無いよう、天幕の裏側からである。
 雄がつい先程まで責めてくれていた名残を感じつつ事後の独特の雰囲気を醸しながら歩いていくと、一人の赤髪の女性が別の天幕に寄り掛かっているのが見えた。溌剌とした印象を受けて此方を睨む様子に、孫堅は疑問を抱くが、彼女が仁ノ助がこれまで連れ添っていたという旅仲間ーーー昨夜、息を整えながら語ってくれたーーーであると思い出すと、同族の獣を見るような眼つきで近寄った。距離が縮むなり、錘琳から口火を切る。

「随分手の早い事で。そんなに誰かと寝たかったの?」
「私は気に入った男としか寝ないよ。それも選びに選び抜いた精悍な男としかな。やきもちを焼くためにここに来た訳じゃないのだろう?あいつならもう起きているから、弛んだ頬を引っ叩いてやるといい」
「ふん、言われるまでもないわよ。私はやるべき事をやるだけだから。あんたみたいな雌猫と馬鹿を言い合うなんて、私の誇りが許さないし」
「中々に吼えるな?自分の相方が寝取られてしまうのがそんなに悔しいのか、生娘。手の早い私を恨むよりも、行動に移せなった自分自身を責めるのだな。あいつは迫ってしまえば絶対に断らない男だ。お前でも落とせる」
「落とっ・・・ちっ!精々ほざいているがいいわ。次の戦場じゃ碌な躰で帰ってこられるか分からないんだからね、江東の雌猪さん?」
「私の事よりも、自分の心配をするがいい。どこぞの誰か、顔も合わせた事の無い粗暴な輩に処女を奪わないか、自
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