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真・恋姫†無双~現代若人の歩み、佇み~
第三章:蒼天は黄巾を平らげること その4
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やかになる訳にはいかなかった。最終決戦というものは何時だって激戦なのである。まして生活の糧となりつつある略奪活動を阻止されて、大地に首を晒す運命を押し付けられる賊達は必死の抵抗を見せるだろう。一事が万事という事もあり得る。油断だけはしないようにと、仁ノ助は静かに決意を固めた。 

「ん・・・んっ・・・なんだ、朝か」 

 その時、彼の隣から呻き声が聞こえてくる。孫堅が目覚めたのだ。

「おはよう、嵩蓮」
「ああ、おはよう。・・・凄かったな、昨日は。若い頃の自分を思い出したよ」

 身体を許した者にしか聞かせぬ甘い声で、孫堅は身体を起こした。起きた際に布団が肌蹴て彼女の豊満な裸体が露となった。想いの熱烈さを想起させるかのうように、つんとした香りが漂っている。娘を産んだ女性の躰とは思えぬほど綺麗で、一軍を率いるに相応しい逞しさのある肌には、まるで丸い樹皮を流れる雨水のように寝汗が光っていた。
 孫堅は目を擦って意識をはっきりとさせ、隣に横たわる男の変化に気付いてくすりと笑みを零してしまう。昨晩の興奮を覚えたままでいるのか、彼女の頬が欲望に駆られた時の赤みを湛えた。

「お前は本当に正直者だな?それに見た目の割には体力がある。底無し、といってもいいくらいだ」
「・・・仕方ないだろ。初めて女性がどういうものなのか知ったんだから。昂ぶらずにいられるかってんだ」
「そこで開き直るあたりお前はまだまだ青いな。風情が無い。もっと雰囲気を大事にするべきだ」
「・・・そう言いつつ手を伸ばしてくるのはなんでだ?」
「虎というのはな、目の前に無防備な餌をぶら下げれれば、それが罠かどうかなど気にしないのだ。強引に掴み取り、噛み切って、食らってしまう」

 そう零しながら孫堅は、仁ノ助に被さる布団の中へと滑り込み、彼の最大の弱点へと近づいていく。もぞもぞと布団が揺れる中、彼女の驚いたような呆れるような溜息が生まれた。そして徐々に響いてきたのは、思わず耳を傾けてしまうような水音であり、それが天幕に響く度に仁ノ助はびくりと肩を震わせてしまう。表情も恍惚としたものが見受けられ、布団の中で行われている甘美な奉仕に身を委ねているようであった。
 やがて布団の中の動きはより大胆さを増して、水音は露骨なものとなり始めた。払暁の光と涼しき朝風の風情を感じさせるものではない。人としての欲望をそそられて、仁ノ助は思わず布団の膨らみに手をやってしまい、それが上下するのを手助けしてしまう。硬い甘露を啜るような響きが走り、仁ノ助は思わず呻きを漏らしてしまう。その啜りが断続的に響いたかと思うと、仁ノ助は一際強く震えて、痙攣するかのように足腰を震わせ、ぶるぶるとした溜息を漏らした。
 もぞもぞと蠢いたのち、孫堅は先程よりも赤くなった顔を布団より覗かせて、艶やかな微笑を湛える。
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