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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 一輝と湖札の物語 B
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残した理由が思いつかん。」
「だよね・・・茶袋なんて伝説があるわけでもないし。地味だし。」
「まあ、中には鬼とかの有名どころもあるし、何かしらの意味はあるだろ。」

そう言いながら二人は進んでいくが、二人は気付いていない。
二人が得の前を通りすぎて少しすると、その絵の前にろうそくが現れ、火をともしていくことに。

「あ、そろそろ洞窟も終わりじゃない?なんだか広がった空間があるし。」
「ホントだ。じゃあ、ここまできといて面白いことはなし?」
「そうかもしれない・・・残念だったね、お兄ちゃん。」

二人はそう言いながらも、何かないかと希望を持ち、進んでいく。
そうしてたどり着いた空間は二人が予想していたものよりも広く、人間が百人は座れそうだった。

「結構広いな・・・何かの集合場所か?」
「そうかも・・・お兄ちゃん、あれを見て。」

湖札はそう言いながら、中央に置かれた甕を指差す。
そこからは、普通ではない禍々しさがあふれていた。

「あれは・・・ほっといちゃ駄目なやつだよな?」
「多分、駄目だろうね。危ないものだろうし。」

そう言いながら二人は甕に近づき、好奇心のままにその蓋を取る。
すると、その空間にムワッっとアルコールのにおいが充満した。

「げ、これお酒だ・・・」
「それがこんな禍々しさを放ってるってことは、何かの儀式によって・・・お兄ちゃん、多分ここ危ないよ。その甕を持って帰るだけじゃなくて、洞窟も破壊しちゃったほうが良い。」

湖札は話している途中で何かに気付き、一輝にそう提案する。

「ここが何なのか、分かったのか?」
「うん。まず、ここに来るまでにあった妖怪の絵の数は、合計でちょうど百。」
「数えてたのか?」
「当たり前でしょ。私の能力は、相手をどれだけ把握してるかで決まるんだから。」

湖札は真剣な口調でそう言い、一輝からも離れて何かあったらすぐに対処できるようにする。

「次に、そのお酒はここで行われた儀式そのものを取り込み、完成したもの。」
「コイツを作ることが目的だったのか?」
「多分、そのつもりでここに人が集まり、儀式を行ったんだ。成功すれば、催眠作用のあるお酒ができるから。」

一輝は自分も自体を把握しようと、周りを見て自分達が来た方向で異常が発生していることに気付く。

「湖札、何か絵の前にろうそくが立ってるんだけど。」
「ホントだ・・・となると、もう手遅れかも。その甕から離れて。」

一輝と湖札の二人は、甕を挟むように立ち、距離をとる。

「そろそろ儀式の正体を教えてくれないか?」
「そうだね・・・これだけ言えば分かるんじゃないかな?百の怪異談と、百の人間。そして、百のろうそく。」

湖札がそう言うと、急に風が吹き、ろうそくの
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