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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
シノ
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と、それを背後から迫る虫の大群に向けた。シノが僅かながら驚きを示す。長い間開いていないためか固まってしまっていた拳をこじ開けた。

「奥の手は……取っておくものだよなァ、あ゛あ!?」

 チャクラを貯めて、そしてそれを勢いよく放出した。

「ああああああああああああああ!!」

 しかし空気圧は、シノにも蟲にも影響を及ぼさなかった。両腕の真ん中からチャクラが吹き出て、片腕が吹っ飛ぶ。凄まじい激痛と、理解の追いつかない脳。

「ぐぁああああああ! 腕がァああああ!」

 それはグロテスクな光景だった。ドスやキン、そしてシノと同チームのキバと担当上忍の紅もが大きく目を見開く。だらりと両腕が垂れ下がった。苦痛に悶えながら両掌を見れば、数匹の奇壊蟲が掌の風穴を塞いでいた。

「な、なんだと……!?」
「さっきお前にギブアップを薦めた時、念のため蟲たちにこう暗示しておいた」

 素早く自分の背後に回りこんだシノが、淡々と告げる。

「あの厄介な風穴を、お前たちの体で塞ぎ、じっとしていろと。――真の奥の手とは、こういうことだ」

  もともと負けん気の強いザクは、それでもまだギブアップしようとはしなかった。素早く振り返って頭突きを食らわせようとするも、動きはシノの方が早い。あっさりと両腕の使えないザクを殴り倒す。

「な、なんですかあいつは……! ネジ」

 リーの視線と言葉には何の反応も示さず、ネジはシノが見えやすい位置に移動すると、白眼を発動させた。その目が驚愕に見開かれる。

「恐ろしい奴だ……口寄せで蟲を呼ぶなら兎も角、全身に蟲を寄生させている」
「な、なんですと!?」
「――あいつは、木ノ葉に伝わる蟲遣いの一族だが……」

 ガイの言葉に、そう言えば聞いたことがある、とネジが呟いた。

「この世に生を享けるのと同時に、その体を巣として蟲に貸し与え、その蟲を使って戦うという、秘伝を持つ一族の話を……。彼等は蟲を自在に扱い、戦闘の殆どを蟲に委ねる。その代償として、自らのチャクラを餌として与え続ける契約をしているという……」
「そして、その蟲はチャクラの栄養価が満点で美味しいという……ぶふぉっ」

 ごくりと傍らで生唾を飲み込んだマナの点穴に、ネジの指が突き刺さった。崩れ落ちるマナには目もくれず、彼はシノを観察している。マナの言葉を聞いたシノの蟲が一瞬ざわついた。

「蟲が美味しいかどうかは兎も角として、その一族の継承者が彼、ということですね」

 ヒルマがザクにかけよった。白眼を発動して、担架に乗せられた体の状態を診る。先ほどの戦闘とこの状態からして、ザクはシノの宣言したとおり再起不能になるだろう。風穴には空気圧や超音波、チャクラを通すための管が繋がっており、ザクが術を使用する時、チャ
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