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英雄伝説 零の軌跡 壁に挑む者たち
25話
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ルドとの会話はまだ通じている。そう思ったロイドは畳み掛けた。

「聞きたい話はある。君たちの本気で潰し合う理由を確認せずに一方的に逮捕するのが不公平だからだ。そちらにも言い分があるだろうし、それを聞きたいんだ!」

「ククッ。妙な野郎だな。だがな、それをお前らに話して俺らに何の得があるんだ?俺は暴れたいだけなんだよ!この滾る血をスカッとさせてくれるんならなんだって良いんだよ!なあ!」

ヴァルドの声にバイパーたちが賛同の声を上げる。いよいよ襲い掛かってくるつもりだ。

「そうだな、俺たち全員相手に勝てりゃあ何だって話してやるぜ。広場でやったようにただぶっ飛ばすだけで良いんだぜ?悪くない取引だろう?」

包囲している絶対優位の態勢のまま戦闘に入ろうとするヴァルドは狡猾にも広場で部下をやられたことを利用して挑発してきた。だが、それはチンピラ特有の安い挑発だった。

「駄目だ!正当防衛ならともかく警察(おれたち)に私闘は許されない。間違えないで欲しい。俺たちは話を聞きに来たんだ」

そんな挑発に乗るかと警察法規を盾に戦闘を回避しようとするロイド。

「喧嘩するのに理由が必要なのか?ハッ、甘ちゃんなもんだな。俺らがそのまま襲ったら正当防衛で解決じゃねえか。やる気あんのか!」

「そうだな。やる気のある良い提案がある。あんたと俺が一対一のタイマンだ。名目はあくまでも練習試合。俺があんたを凌ぎきれば話を聞かせてもらう。良い取引だろう?」

ダブルトンファーを構えてロイドがヴァルドを見上げる。そのヴァルドは本気かと怪訝そうな表情でステージからロイドを見下ろしている。長身のヴァルドから見下ろされれば段差の上にいることもありロイドが小さく見える。

「マジで言ってるのか、そこの赤毛ならともかくどれだけの体格差だと思ってんだ」

「だからこそタイマンの価値もあると思う。こっちも捜査官としてそれなり鍛えられたんだ。街のチンピラ風情に遅れは取らないつもりだが、一番強いあんたに自分がどれだけ通用するか試してみたくなったんでね」

全員で戦うなんて安い挑発に乗るかと逆に挑発し返して一騎打ち、タイマンを提案したロイドは、勝たなくても凌げれば目的を果たせるように筋道をつけた。あとはヴァルドが挑発にどう応じるかを真っ直ぐに見つめていた。
後ろの3人はというとこの交渉を呆気に取られて見ているしかなかった。バイパーに包囲されていつ攻撃を受けても良いように武器を構えて三人共お互いを背にして対応しており、突然飛び出したロイドについていくことが出来なかった。
バイパーもまたヴァルドの命令が出ないため、囲んだままの膠着した状態にあった。
そのためイグニス内部の全員がヴァルドに注目するとひとしきり大笑いしたヴァルドが鎖付きの木刀でステージにあったド
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