25話
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大型の導力スピーカーから大音量が流れており、暖かい空気と共にキツイ酒の臭いがした。
百人以上が余裕で収容出来る広さでこの臭いのキツイさに酒の飲めないティオはしかめっ面になって鼻を摘んだ。
臭いの原因は暖炉代わりにドラム缶で焚き火をしており、不良たちが飲み食いしているであろう木製の机や樽、その周囲の床など酒瓶が大量に転がり、空き瓶に混じって飲みかけの瓶から床に零れて蒸発していたからだ。それに燃え移ったのか、火遊びでもしたのか床がところどころ焦げており、それが燃えたのだなとわかった。
扉を閉める音がして振り返るとどうやら見張りなのでその場から動けないディーノがこちらが気になって仕方がないようで、寒いので閉めた扉のこちら側に立っていた。
何人もの不良たちが樽に座って酒を呷りながらこちらをじっと睨みつけているが、上の方で歩く音がして見上げると2階のキャットウォークにも何人かがこちらを見下ろして伺っていた。
特についさっき外で戦った奴らは鋭い視線を向けて来る。
流される大音量の音楽のため騒々しく、全員が手に釘バットやナイフをチラつかせて、冷静な大人がいて清潔で落ち着いた雰囲気のあったトリニティとは対象的で緊張感が高まっていく。
それはステージで箱を椅子代わりにしてふんぞり返っている巨漢の青年が声を上げると文字通り爆発した。
「待ってたぜ。なあ、お前ら」
その声に反応したバイパーのメンバーたちは武器を構えて4人を取り囲むように包囲すると背後でガラスが割れる音がすると出入り口の扉の前の空間が燃え上がった。
キャットウォークにいる不良が酒瓶に火をつけて火炎瓶として投げ込んだのだ。
完全にやる気だ!
支援課の全員がそう直感した。
戦うつもりだからこそ退路を塞ぐために準備をし完全に包囲しようとしている。
「わざわざフクロにされに来たとはな」
広場での借りを返そうと威嚇するバイパーの言葉通りの状況だった。
このまま戦闘に雪崩れ込めば陣形的にも人数的にも2階からの支援攻撃もあり絶対にやられる。
そう思ったロイドは即断した。
包囲が完成し戦闘に入る前にステージ前に進み出てヴァルドに向かって叫んだ。
「俺たちは戦いに来たんじゃない。捜査に協力して欲しいだけだ!」
「青坊主共から話を聞いたんだろう?じゃあ何も聞くことはねえだろう。悪役は俺たちで、あんたらは俺たちを逮捕しに来てボコられる正義の味方ってな」
こちらを見下そうなヴァルドの言葉からなぜいきなり攻撃を仕掛けようとするのかおぼろげながらわかった。
テスタメンツから話を聞いたという情報がディーノから伝わったことでサーベルバイパーを警戒させてしまったのだ。
先に相手チームの事情を聞いた警察が現れれば、相手が悪いと吹き込まれたと警戒するだろう。
だが、ヴァ
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