第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
サスケ
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リンのことを「リン師匠」と呼ぶほどで、リンもヒルマのことをまるで弟のように可愛がっていたのを覚えている。そしてその度、自分と同班だったうちはの少年、うちはオビトが――かつてはカカシの左目の持ち主だった彼が――面白くなさそうな顔をしていたのも。
「……ヒルマなら、なれるさ。ま! 頑張りな」
「……ありがとうございます、カカシさん。では、そちらはカカシさんにお任せしますけれど、病院の方にはこっちから手配をしておくので、終わったら彼を早速そこに送ってください。ユナトさんに暗部の護衛を手配してもらいますから。ああ、サスケ君の病室の隣の病室にユヅル君がいますので、ついでに彼の封印もお任せてしてもよろしいでしょうか?」
「ああ、わかってるよ。じゃあ、病院と暗部の手配、頼んだよ」
「了解です」
ユナトの方へ駆け去っていくヒルマの後姿を眺めながら、カカシはしゃがんでサスケの肩に手を置く。
「――これから奥に連れてって、呪印を封印する」
「っ予選が終わるまでまってくれ! 本戦に残る奴等の試合が見たい」
しかしそんなサスケの言葉も、常に飄々とした態度のカカシには珍しく「駄目だ!」と厳しい語調で一蹴する。
「そう熱くなるな……これ以上ほっとけば、取り返しのつかないことになるかもしれんからなあ。二度もわがまま聞いてやんない」
さあ、来い。そう促がされて、サスケは不服そうな顔をしつつも、不承不承立ち上がった。二人が去っていった後、ハヤテが数歩前に進み出る。
「えー、では、早速次の試合を始めますね」
全員の視線が一斉に掲示板に集中する。
そして示された名前は、ザクとシノの名前だった。
「ヘッ、どこの雑魚だぁ?」
負傷した両腕を包帯に抱えられているにも関わらず、その顔は余裕に満ちている。その発言を聞いてもシノは顔色一つ変えない。しかしそれを聞いた紅は眉根に皺を寄せて、音の担当上忍――変化している大蛇丸――を睨みつける。あんたちゃんと自分の弟子に口の利き方教育してるの、とでも言うかのように。
「両者前へ」
ハヤテが手振りと共にそう言うと、ザクとシノが向き合う。ザクの両腕を見て、ヒルマははあ、と溜息をつきつつ顔を顰める。これくらいの怪我なら普通、医療班代表たるヒルマが強制辞退させてもいいくらいだが、今さら言っても聞くまい。
不敵な表情のザクと相変らず無表情なシノを見比べ、ヒナタが不安げな顔をした。
「えーでは、これから第二回戦を始めます」
「シノくん、大丈夫かな……?」
「大丈夫。あいつは強えーよ」
キバは静かに答えた。「へ」、とヒナタがキバを振り返る。キバの顔はいつになく真剣で、その目はじっとシノに注がれていた。俺もあいつとはやり合いたくねえよ、と悔しいのかそうでないのかよ
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