第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
サスケ
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ら、振るわれるその腕をなんとか回避する。相手に吸われてやれるチャクラはもう残っていない。
自分の左頬目掛けて飛んできた拳をなんとか交わしてみるも、相手の手の纏ったチャクラが髪の毛と耳元とに触れてくる。それだけでもチャクラは吸われ、サスケはよろけた。その手に纏うチャクラに触れるだけでもチャクラは吸われてしまうようだ。
「どうしたどうした? もう終わりかァ?」
「はッ!」
小ばかにしたかのようなヨロイの声。振り返りざま、蹴りをお見舞いしてやろうとするも、それは容易く避けられてしまう。
――こいつの狙いは、接近戦一本……! どうする、このままじゃジリ貧だ……!
息が苦しい。ヨロイが余裕と嘲笑の笑い声を立てた。
――うちはサスケ……この程度か
我愛羅の冷たい青の瞳が疲労困憊したサスケを見下ろす。当初は兄たるカンクロウに気付かれず、カンクロウに石を当てることに成功したことから、実力者なのではないかと一目置いていたが――カンクロウを兄と認めていなくとも、我愛羅はその実力が砂ではまだ強い方に入ると認定していた――別にそうでもなかったようだ。
――サスケくん……
苦しむサスケの姿を見据えて、リーはぽつりと心の中で呟いた。元は戦いたいと思っていた相手だ。うちはの血を継いだ、最後の二人の内の一人。そんな彼が苦しんでいる姿を、リーは半ば失望、半ば心配の気持ちで見つめていた。
リーのその傍、ナルトは歯を食いしばってそんな様子をみつめていた。視界の隅、見ていられなくなったサクラが顔を逸らす。試合前泣きながらサスケを阻止しようとしたサクラを思い出して、悔しくなった。
サクラがそれほどまでに想ってくれてる相手が自分じゃないことが悔しい。俺はお前とも戦いたいと、そうやってナルトの強さを認めてくれたサスケと戦えなくなるんじゃないかということも、それと同じくらい悔しい。
耐えられずに、ナルトは大声で叫んだ。
「サスケェエエ! てめーはそれでも、うちはサスケかァアあ!?」
ナルトの大声にサスケが振り返る。
「ダッセー姿見せてんじゃねえ! しっかりやりやがれェエ!!」
サスケの視線が、こちらを見つめているカカシ、顔を逸らしたサクラ、大声を上げるナルトから、その傍のリーへと移って行く。その瞬間サスケの脳裏で何かが結びついた。
――あいつは
ロック・リー。五分で倒す。写輪眼。体術。敗北。コピー能力。
――そうか!!
「――?」
その瞬間サスケの目付きが自信満々なものになったことに気付いたハヤテは、軽く目を見開いた。サスケのチャクラが磨り減っていくのを見守るだけと、半ば興味を失いかけていたこの試合。しかしサスケのこの目――これは何かあるなと、ハヤテは集中力を試合に戻した。
「余所見してい
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