第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
サスケ
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覚同様に気味悪い笑い声をあげる。
サスケのチャクラに反応して動く呪印と、対象のチャクラを吸い取るヨロイ。
それは余りにもサスケに不利な組み合わせだ。師たるカカシに写輪眼の類は使うなと言われ、写輪眼とその他火遁などは封印して、体術や手裏剣術などでしとめてしまおう、と思っていたが、このような相手に体術を使うだなんて自殺行為に等しい。チャクラとってください、というようなものだ。
更に右腕も力を失って、だらんと床に叩きつけられる。チャクラを吸われすぎた為だろうか、チャクラを取られる気味悪い間隔は痛みになりつつある。
「うあぁああああああ! はあッ、あッ、ああッ!」
どんなに呻き、叫び、ヨロイから脱しようとしてもチャクラは吸い取られていくばかりだ。そして苦しみもまた、重ねられる一方。苦しみに喘ぎながら、サスケはそれでも必死に力を込めようとする。
――さあ……解放しなさい、甘美なる力……それしかあなたに生き残る道はないわ……
変化の術を使い、音忍達の担当上忍として試合を観戦している大蛇丸は、心の中でサスケに向けてそっと囁く。ヨロイ、ミスミ、そしてカブトは、大蛇丸が木ノ葉に放った音のスパイなのだ。大蛇丸がもっとも信頼している部下カブトに、今回ヨロイとミスミが同行したのはそれぞれその能力ゆえだ。ヨロイのチャクラを吸い取る能力はサスケに呪印を発動させるに丁度いいし、ミスミの関節を外して体をぐにゃぐにゃにする能力はサスケの体に巻きつきさえすればその体術を封じ込めてしまう。
大蛇丸の爬虫類めいた瞳が、飢えた目付きでサスケを見つめる。うちはの末裔。うちはの生き残り! うちはサスケ、うちはイタチと同じ万華鏡写輪眼を開眼し得る男!
――そして私の次期転生候補に相応しい子!
大蛇丸はニタリと笑みを浮かべて、サスケの首の付け根に視線を注ぐ。そこから地虫のように呪印が這い出すのを今か今かと待ち構えて。
「ぐああああああッ――!」
力の入らない手に力を込めて、ぎゅっと握り締める。爪を掌に食い込ませた。先ずは手。それからゆっくりと足を持ち上げる。ヨロイはチャクラを吸い取るのに夢中で気付いていない。
先ずは手。それから、足。
「――っこの野郎っ!」
足を跳ね上げて、ヨロイの腹に一撃をお見舞いする。吹っ飛ぶヨロイに自由を取り戻したサスケは、力を失って震える腕になんとか力を込めて起き上がろうとする。
「まだ力が残ってるとはなあ? ただのモルモットのくせに」
――っ危なかった……!
言葉を返す余力もなく、サスケは肩を上下させながら呼吸する。
「安心しろよ。直ぐ終わらせてやる」
その手に再び、チャクラが篭る。こちらに向かって駆けて来るその姿に、ふらふらとしつつサスケは起き上がった。よろける足なが
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