第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
ヒルゼン
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の命運を握るのは――」
ハヤテは振り返って、アンコに頷いた。アンコが口元につけたインカムに向かって「開け」と命令すると、組み合わされた両手の背後に移っていた五つのパネルのうち、左上のパネルが開いた。
「これですね。えー、この電光掲示板に、一回戦ごとランダムに選出された対戦者の名前を、二名ずつ表示します。では早速ですが、第一回戦の二名を発表します」
【 あかどう ヨロイ
VS
うちは サスケ 】
「では、掲示板へ示された二人、前へ」
歩みでた二人が、それぞれハヤテの右側と左側に立つ。
「第一回戦対戦者、あかどうヨロイ、うちはサスケに決定。依存ありませんね?」
「無い!」
「ああ!」
「えーではこれから、第一回戦を開始しますね。えっほん、対戦者二名を除く皆さん方は、上の方に移動してください」
ハヤテの言葉に従い、受験生とその担当上忍たちは次々と引き上げていく。ユヅルを除いた九班もまた上に上がり、ガイ班の近くに腰を下ろした。いやいやあ、どうなるか見ものだなあ! とハッカは暢気である。
「やあ、ハッカ」
「おお、カカシ! どうしたどうした? 何か用か?」
手を振ってにこやかに笑いつつ近づいてきたカカシに、ハッカがハイテンションに振り返る。その相変らずのテンションの高さに苦笑しつつ、カカシがハッカの耳元に何かを言った。
「おお、そんな封印術があったのか!」
「……ちょっとハッカ、お前そんなのも知らないで火の国一周してきたの?」
呆れ顔のカカシにハッカが照れ笑いをする。カカシは溜息を吐いて、以前の博識で読書好きなハッカを脳裏に浮かべた。あのハッカはもういないのだ。以前のハッカなら確実に知っていたであろうことも、このハッカは知らない。
「基本、本人の意思を基礎としている封印術なんだけど――あとでやってあげようか?」
「うーむ、ユヅルはほぼ四日連続で昏睡状態だそうだからな、意思が通用するかどうか……」
「四日連続で昏睡状態?」
強制辞退とは聞いたものの、四日間ずっと昏睡状態であることに、流石のカカシも目を見開いた。成る程、サスケやアンコが未だ生きているのはかなりのことだろう。ユヅルがまだ生きているのは笑尾喇の精神力のお陰かもしれない。それすらなければユヅルはきっととっくに死んでいただろう。
「だがまあ、時間があったらやってくれないか? 出来るだけのことはしてやりたいんだ」
「――わかってるよ、ハッカ」
ハッカはすまないな、と照れくさそうに笑った。ナルトが身を乗り出してサスケとヨロイを眺める。
「それでは、はじめてください」
そして第三の試験予選が、ここに幕を開ける。
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