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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
ヒルゼン
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かれる。そして各国の隠れ里を持つ大名や忍び頭がお前たちの戦いを見ることになる。国力の差が歴然となれば、強国には仕事の依頼が殺到する。弱小国と看做されれば、逆に依頼は減少する。と同時に、隣国各国に対し、我が里はこれだけの戦力を育て有しているという脅威、つまり外交的な圧力かけることも出来る」

 だからってなんで命がけの戦いをする必要があるんだ、とキバが抗議したが火影は動じない。
 
「国の力は里の力。里の力は忍びの力。そして忍びの本当の力とは、命がけの戦いの中でしか生まれてこぬ。――この試験は時自国の力を見てもらう場でもあり、見せ付ける場でもある。本当に命がけで戦う試験だからこそ意味があり、だからこそ、先人たちも目指すだけの価値がある夢として、中忍試験を戦ってきた」

 命がけ、確かにそうだ。ナルトも、サスケも、リーも、はじめも、皆音忍達と命がけの戦いを戦って、中忍試験を勝ち残ってきたのだ。ユヅルだって今は生死の淵を彷徨っている。この試験で死んだ奴もいるかもしれない。
 質問、とマナが手を挙げた。

「それなら何故友好など綺麗ごとを並べるんっすか? もし友好だのレベルを高めあうだのと綺麗ごとを並べ立てるだけなら、上役だけのこととして過去の闇に葬ってしまったって誰も気付きやしないのに。どうせ受験生にべらべら述べ立てるようなことなら、別に友好だとか言わなくてもいいっすよね。これは各国の戦いの縮図だから、国の威信がかかってんだから心していくよーにって言えばいいだけの話でしょう、それなら第一試験の第十問で勇気の無い人間を削り取る必要もなかったはずだ」

 マナがこのような質問をしたことに、マナを知るものは驚いた顔つきになった。火影の顔が険しくなる。だからはじめに言ったであろう、意味を履き違えてもらってはこまると。そういう声は幾分不機嫌そうだ。

「命を削り戦うことで、バランスを保ってきた慣習、これこそが忍びの世界の友好。己の夢と里の威信とをかけた戦いなのじゃ。それとマナ、言ったじゃろう、これは無駄な戦力の潰しあいを避ける為に選ばれた戦いの場じゃ。そのことを忘れてもらってはもっと困る。同盟国同士で仲良く試験をしよう、というわけではない。お互いに牽制し合い、そして自分の里の利益を得るためであるという背景を忘れてもらってはいけない、だからこそわしはここで今一度そのことを語ったまでのこと」

 それから彼はまた息を吸った。

「そして先ほども言った通りこれこそが忍びの世界の友好だ。これは各国の戦いの縮図であるから、などと言ってしまっては互いの里同士結束したり、試験開始早々互いに敵意を向き始めるなどという可能性もある。我々の目的はそんなことではない――もっともこれからの試験は己の里も他人の里も関係なくなってくるわけじゃから、ここで語ることにした
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