第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
ユヅル
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は一応理解できた。はじめとしては大蛇丸なんぞに会った後で蛇なんか見たくもないというもんだ。
「なんかさー、力つく感じはあんのな。チャクラ持ってるからかな、この蛇も。けどよ、味しねえの。なんかなー、他の肉食べたい」
「チャクラ?」
チャクラを持っている蛇を食べて力がつくなんてことはあるのだろうかと疑問に思ったが、しかしマナは狐者異だ。食に対する感覚は敏感なのだろう――狐者異にはそんなこともあるんだろうなと、はじめはそうすませることにした。
「そろそろ行こうか」
「そーだな。塔いったら何か食えるかも」
マナが立ち上がり、ユヅルをはじめに背負わせるのを手伝い、二人して塔へ向かって駆け出していく。紅丸はマナの頭の上に縮こまってくぅうんと鳴き声をあげた。
やっとついた塔に入ると、はじめは雪崩れるように中に転がり込んだ。ユヅルを地面に下ろすなり、どっさりと崩れ落ちる。マナもばったーんと顔から地面に激突し、そしてそのまま動かなくなった。
「い、生きているか、マナ?」
見ると額から血が流れていた。完璧に気絶している。あたふたしながらはじめは自分のホルスターをまさぐって、そして二本の巻き物がごろごろと地面を転がりながら開いていくのを見て目を見開いた。
「人?」
人、という文字と共に口寄せの術式。咄嗟に身構えていると、そこから煙りがあがって二十代くらいの女性が現れた。短く切りすぎたみたいな前髪と、キバよりも更に短く、色の薄い茶髪。日に焼けた肌に白い上着で、その上着は片腕だけ袖がない。袖のないその方の腕はもう片方よりやや短く見え、そして生気のない白をしていた。左肩から右腰にかけて奇妙な青いスカーフを巻きつけてあり、右腰と左腰のところに青い結び目がある。スカートは紺で、黒いスパッツを履き、ホルスターも額当ても持たないその女性は、薄い青の瞳を煌かせて、にこっ、と笑った。
「貴女は、」
「私は白腕のユナトって言うの。ハッカとガイの元ちぃむめいと!」
白腕のユナト、という所でその特徴的な白い腕を持ち上げ、微笑。彼女はマナとユヅルを眺め、「大分消耗してるみたい」と呟くと、またにっこりと笑みを浮かべ、大仰な仕草で両腕を広げた。
「第二の試験突破、おめでとです!」
「へ、あ、……あ、ありがとうございます」
「むー、テンション低いー。皆疲れちゃってるっぽいけどさあ、わあいとかそんなリアクションないのー?」
「わ、わーい」
唇を尖らして子供のように拗ねた彼女に、引き攣った表情ではじめが万歳、もとい降参のポーズをとった。
「とりあえずそこの二人は医務室行きかな。きょーは三日目……早くも遅くもないね。とりあえずお部屋かしたあげるから寝てなよはじめくんも紅丸ちゃんも。紅丸ちゃんは、キバくんたち到着
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