第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
サクラ
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「くそ、サクラ!」
ザクに加勢しようとしたドスの足に右腕でしがみ付き、ドスのクナイの攻撃を左手に握ったクナイで防ぐ。先刻ザクの攻撃に使用した骨を拾い上げた紅丸は、それを使ってキンの千本と応戦していた。
サクラが痛みに涙を浮かべても、血をだらだら流してもザクに噛み付いているのに、自分はここで隠れている。サクラもマナも、こんなに必死で戦っているのに、自分はここで隠れている。
――サクラ……それに、マナ
殴られたサクラの口から血が流れる。それでもサクラは必死になってザクに噛み付いた。
――私は……私が……!
不意にその顎が力を失って緩んだその瞬間、ザクがサクラを叩き飛ばす。ギャン、と叫びをあげた紅丸が地面を転がり、二度目の音の攻撃を受けたマナが、あの驚くくらい胃の丈夫なマナが、今度こそ吐いた。そのマナがサクラの直ぐ近くに投げつけられる。
――私が……皆を守んなきゃ!
「このガキどもがァ!」
ザクが両手をサクラに向ける。殴られた左目の瞼が腫れ上がって、左の視界がよく見えない。それでもサクラは、マナと紅丸を守ろうと両腕を広げる。せめて二人だけでも守ろうと。
そしてその瞬間、目の前を三つの影が覆った。
「へっ。また変なのが出てきたなぁ」
それは正しく猪鹿蝶――第十班の三人だった。
「……いの?」
「サクラ、あんたには負けないって、約束したでしょ!」
目を見開くサクラに、いのは笑って見せた。
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