第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
サクラ
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。三つもハッカ特製の兵糧丸を食べて無理矢理チャクラを増量させたのだ、体へかかる負担は大きいかもしれないが――これも皆を守るため。
「水遁・水分身!」
水陣壁の外部に現れた三人のはじめが、無表情のままに腰を落とす。水分身のはじめが無表情なのに対し、本体はかなり顔色が悪い。
「水車輪!」
一気に投擲されたそれらは目くらましに過ぎない。本当の目的はそれを避けようとしたドスたちが、新たに作成された三人の水分身に背後から術を喰らう時。
「水牢の術!!」
三人が三つの巨大化した水球のようなものの中にそれぞれ閉じ込められる。中も水というわけではないのでちゃんと呼吸も出来るようになっているから、ちゃんと生きていけるだろう。はじめが水陣壁を解き、六人になっていた水分身の内、三人を水に戻す。
「古きものは即ち基礎……古臭いと貶めているだけで、古きから極めようと思わないお前等は、どんなに新しきを極めても強くはなれない……!」
息絶え絶えになりながらも、はじめは水牢の中の三人に向かって叫ぶ。水牢の中の彼等の顔が怒りと恥辱に歪んだ。
「……とは言え、これは流石に厳しいな……っ」
水陣壁・水分身・水車輪に水牢を使ったのだ。兵糧丸を食べていたとは言えチャクラ消耗は激しいし、兵糧丸を食べ過ぎた所為で体の具合もおかしくなり始めている。元々兵糧丸というのは食べ過ぎると体に毒という。食べる量については個人差があるが、はじめの場合四つは多すぎたらしい。頭がギンギン痛む。
「うぅ……っ」
地面に這い蹲って、それでもなんとか術は維持する。
「ちょっとはじめ、大丈夫!?」
「おい、大丈夫か、はじめ!」
サクラとマナが駆け寄ってきた。視線を巡らすと、樹上にはじめに変化した紅丸が立っている。ということは、救援を呼ぶことには一先ず成功したらしい。一応、十、三、八班に頼んでもらうことにしたが、一体どの班が呼びかけに応じてくれたのだろうか。
「げぉっ、ぐ、おぇぇ……」
吐き出した胃液の中に混じっていたのはぐちゃぐちゃになった、未消化の兵糧丸の爽やかな空色だ。兵糧丸が吐き出されるのと同時に、燃えるように熱かった体から体温が逃げていくような気がした。すうっと寒気がする。指先からチャクラが逃げていくような感覚。
そしてはじめのチャクラは、もう水牢と水分身の負荷には耐え切れなかった。
「っく……!」
拳で地面をどんと叩いても何にもならない。水牢と水分身が水となってばっしゃりと地面に散る。水牢から脱することの出来た三人が、不敵に笑いながらはじめを見下ろした。
「結局、君も古きを極めきれなかったようですね……!」
「か、は……っ」
出し抜けに振るわれた右腕から発された拳を腹に食
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