第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
サクラ
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ああ!」
言うなりドスは身を翻してサクラに襲い掛かった。
咄嗟にクナイを構えるサクラとドスの間に、リーが割って入る。バランスを失っているはずなのになぜそんなことが出来るのだろうかと目を見開くドスに向かって木ノ葉旋風を放とうとするリーだが、しかしさっきの攻撃が利いているのだろう、足に力が入らない。
「さっきの攻撃……やっぱり利いていたみたいだね! 少々驚かされましたが――あの閃光のような体術が、面影もないじゃないですか!」
そしてドスの拳がリーに向かって飛ぶ。咄嗟に左耳を庇うリーだが、ドスの腕から出る音は彼自身のチャクラによって方向を決めることが出来る。スピーカー作用を持つその腕から放たれた音はリーの左耳を穿ち、絶叫をあげてリーは前に崩れ落ちた。
「リーさん!!」
「先輩!!」
気を失ったリーには目もくれず、ドスはサクラに向き直る。次はサスケを殺る気だ、そう悟ったサクラの目が見開かれた。
「させないわ!」
一気に三本のクナイを投擲するが、それは全て防がれてしまう。ドスが腕を振り上げて迫ってきた。はじめは振り向いて、自らに変化した紅丸に合図を出す。ポーチの中から出したハッカ特製・ミント味の兵糧丸を口に含み、サクラとドスの間に飛び降りた。
はじめの目の前から水が湧き出る。それがぐるりと仲間達全員――当然、四人が寝ている、野宿用に使っていた大樹も含む――をぐるりと囲み、上からこられないように上部をドーム状に封鎖する。
「水陣壁!!」
水の無い場所でチャクラを水に変えて、七人を囲んで守り、尚且つ水が崩れないよう維持し続けるのは、はじめのような下忍如きには高等すぎる技だ。出来たくらいでも奇跡だろうし、はじめはこの技に必要な最低限のチャクラ量が掴めていない。だからハッカ特製の、一般よりもチャクラ増量の多い兵糧丸を食べてでもかなりのチャクラを消耗してしまうくらいだ。
「はじめ……!」
「マナだけでも起こしてくれ! それだけで随分違うはずだし、私のこの術もそうはもたない……」
「わ、わかったわ」
サクラはマナの体を揺らした。暫くするとマナが体を起こして、ぼんやりと目を擦りだす。もっと早く起きなさいよと叱咤しつつサクラは襲われている現状を説明し、リーがつい先ほど倒れたこととドス、ザクの能力について説明している。
後ろで女子二人なんで起こさなかったんだだの起きなかったそっちが悪いなどと騒いでいるのが聞えるが、今はそれどころじゃない。水牢の術を発動させようと試みるが、三人分は今のチャクラ量では結構きつい。
「マナ! 兵糧丸を三つくれ!」
「おーけー、持ってけドロボー」
ミントの爽やかな味が口内に広がって、口の中がすうっと涼しくなるのと同時に、体が燃え上がるように熱くなった
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ