第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
笑尾喇
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から!」といきなり告白してきたゲジマユである。
「だったら君達も、努力すべきですね」
その肩に乗っているのは先ほどやってきたリスだ。放心して地面に崩れ落ちたサクラには、リーの姿がいつになく凛々しく見えた。はじめが目を見開き、肩の力を落として「先輩」と呟く。
「……何者です?」
「――木ノ葉の美しき青い野獣、ロック・リーだ!」
状況が状況じゃなかったら、思いっきり「はぁ?」な台詞だったが、しかし今のサクラにはそれより、なんで彼がここにいるのかが問題だった。
「何故先輩が……ここに」
「ふふ、出来ればそれはサクラさんに聞いてもらいたかったですね……。何故ならはじめくん、君は恋というものを知っていますか?」
「恋……? それって、」
「ええ。サクラさん、僕は貴女がピンチの時は、いつでも現れますよ」
なんてね、と呟きながらリーはリスを地面に下ろして、「ほんとは君のお陰だよ」と囁く。リスは数秒きょろきょろしていたが、リーの「さあお行き」という言葉に去っていった。
「でも、今は、貴方にとっても私は敵よ? ……はじめも、だけれど」
僅かに顔の表情筋を緩めつつも、切なげにサクラが俯けば、「前に一度言いましたね」とリーは柔らかな微笑を崩さずに言う。
「――死ぬまで貴女を守るって」
その顔に、サクラは勿論だが、ナルト以外の恋敵を見つけたはじめもはっとした顔になる。その言葉にサクラは何と言っていいのかわからず、消え入りそうにか細い声で、「ぁ、ぁりが、と……」と呟いた。
勿論そのサクラとその傍にいるはじめに、嬉し涙を零しながら(くーッ! 決まった! 決まった! 決まりましたよガイ先生!!)とガッツポーズをとるリーの顔は見えていない。
「サクラさんはそこにいて、サスケくんたちを見ててあげてください。いきますよ、はじめくん」
「……承知した」
「仕方ないなあ……ザク、サスケくんは君にあげるよ」
言って、ドスは地の巻き物を懐から出し、後ろにいるザクに向かって抛る。それを受け止めたザクに、「こいつらは僕が殺す」とドスは腰を落とし、サクラとリーを見据えて構えを取る。
「じゃあ、あたしはお隣の紫と、青い髪のチビでいいわよね?」
「……お好きにどうぞ」
キンがはじめと、まだ寝ているマナに視線をやって残虐な笑みを浮かべた。ドスは答えるなり、リーを見据え、そして袖をまくって機械を取り付けた腕を露出させるとリーの方へ向かって駆けだした。咄嗟にサクラが投げたクナイを飛び上がって回避する。それを看たリーは右腕を土の中に潜り込ませた。そしてその中に埋まっていた木の根っ子を――恐らくずっと前に、何かの術で土に埋まった木なのだろう――を無理矢理引っ張り上げてドスの攻撃を防ぐ。
「君の攻撃には
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