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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
大蛇丸
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サスケと、クナイで大樹に固定された気絶しているナルト、そして目を血走らせたユヅルだ。

「サスケ……それは、写輪眼か?」
「そんなことはどうでもいい、それよりユヅルは――?」

 はじめの問いかけに若干焦った声で答えて、サスケは扇子で大蛇丸と戦うユヅルを見つめた。マナが短く答える。

「犬神っつー奴が、ユヅルの体を乗っ取ってんだよ」

 +

「そう。貴方は犬神なのね?」
〈忘れたとは言わせんぞ、この呪われた生き物が! 蛇は蛇らしく地を這っておればいいものを――砕いてやる、お前の頭をかち割ってやる!!〉

 歯をむき出して、ユヅルの扇子が激しい勢いで舞ってくる。それをクナイで受け止め、受け流したりしながら、大蛇丸はユヅルと――正確には笑尾喇と応戦していた。

「悪いけど私の邪魔をしないでくれるかしら。私はもっぱら、うちはの男の子に興味があるんだけれど?」
〈っが、ぐァアアアアア!〉

 にこりと笑って見せた大蛇丸にユヅルの白い髪が逆立ち、ユヅルは叫びのような、呻きのようなもの声を出す。大蛇丸が印を結ぶ。ユヅルが吹っ飛び、マナ、サクラ、サスケ、はじめ、紅丸は飛び上がって散り散りになった。
 マナがナルトを固定していたクナイを抜き、重力に手繰られ落下していくナルトをはじめが受け止め、上へと飛び上がった。着地したその傍にはサスケがいる。

「……サクラは?」

 呟いた瞬間、引き攣った悲鳴。振り返れば太い木の枝の上でサクラがゆっくりと後退っている。

〈小娘……お前か、この術をかけたのは、お前か!?〉

 看ればユヅルの左胸に円形の封印がかけられてある。そこが繰り返し明滅していた――成る程、とマナは瞬時に状況を理解する。笑尾喇はユヅルから出たくても出れないのだ。あれは恐らく封印術で、そしてそれがかけられたのは恐らく、ユヅルが健康診査をしにいったあの日。

「違う……私じゃない、私じゃないって言ってるでしょ!?」
〈大蛇丸め、お前か? 呪わしき生き物よ、お前か? 我を人間の小僧の体の中に閉じ込めようと、そういう魂胆か? いいだろういいだろう、受けてたとうではないか――!〉

 そしてユヅルの胸の封印の明滅が更に激しくなり、そしてそこから犬の頭が現れた。ユヅルは上半身を仰け反らせるような体勢になった。その瞳から光が消えて虚ろになる。

〈ああああああ!〉

 犬神の胴体が封印を突き破って出て来んとする。封印から言葉によって形成された鎖が現れ、犬神を繋ぎとめようとするが、しかし犬神はそれすら突き破って表に出てこようとしていた。けれどそれがユヅルの体に与える負荷もかなりのものだ。
 ユヅルの口から唾液が滴り、顔は血の気を失って土気色になる。ネジかヒナタだったら、白眼で経絡系が犬神と共にその体からつ
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