第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
大蛇丸
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「他愛のない……、うちはの名が泣くわよ? まあまあ、このままじっくりと嬲ってから殺してあげる。――虫けらのように!」
気絶したふりをして目を瞑っていたサスケは、ゆっくりと写輪眼を開く。いつでも動けるように体を緊張させた。そろそろ仕掛けが発動する頃だ。
「――っうぁあ!?」
草忍の衣服に取り付けられていたものが爆発し、草忍が前のめる。その隙を狙っていたサスケは素早く飛び上がって続けざまにワイヤーを草忍の周囲に張り巡らし、やや離れた木の枝の上に着地する。内数本を口で、そして残り数本を両手で操り、草忍を木の幹へ縛り付ける。草忍の顔が苦痛に醜く歪んだ。
ワイヤーが緩まないよう口でワイヤーを噛み締め、両手で火遁の印を結ぶ。
――火遁・龍火の術!
自分の周囲から巻き起こった炎がぶわりとワイヤーに燃え移り、そして滑るように草忍の方へと向かっていく。飢えた火は燃え盛る口で草忍を、草忍の縛り付けられた木ごと飲み込んだ。火の粉の爆ぜる音に混じって草忍の凄絶な悲鳴が響き、「やった!」と嬉しそうに輝くサクラの声が耳に届いてくる。明るく嬉しそうなサクラの声と苦しさに悶える草忍の悲鳴は奇妙なコントラストを成していた。
+
――アタシの標的は、嗅覚型の感知タイプ――キバとか、もしくはそれに似た奴だ
――さっきクズリが通ってったろ? したらクズリの糞発見したんだけどよ、これすっげえ臭いだから、使えると思うんだ。嗅覚型の感知タイプの奴は確実に悶絶するぜ、間違いない。それに相手がそうじゃなくてもだ、この臭いをつけた敵が風上にいたらいやでもそっちに注意が向く。囮に使うには持ってこいってこった
――で、アタシの唾液弾を使って、相手のホルスターを攻撃するんだよ。そういうのって普通リーダーか一番強い奴が持ってるから、弱そうな奴か馬鹿そうな奴か日和見そうな奴かうるさそうな奴に狙いを定めればいい。ベストは恐慌に陥ってくれること。警戒心を起こされても別にいいさ、クズリの糞の囮で注意をそっちに引き付けて、ユヅルのチャクラ糸で縛る。そんではじめが巻き物を取ってくれ。こういう場合グダグダしてねーで早く巻き物取った方がいいから、スピードが九班一のはじめに任せる
――まあ最適の相手は嗅覚型の感知タイプだろうけど、そうでなくても相手の注意を引ければ同様に使える作戦さ。場合によってはクズリの糞を使わなくてもいーけど、役に立つかもだから一応とっとこう
――そんで最後は起爆札で派手に締めくくろうぜ。こういう時は、逃げるが勝ち、だっけ。あ、そうそう。三十六掌逃げたらシカニク。ネジ先輩の必殺技。え? 違う? どうでもいいんだよそんなの
それがマナの立てた作戦だった。今の紅丸は川で体を洗って貰っている。
「ありがとなー紅丸ー。臭かったろ
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