第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
大蛇丸
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変化した紅丸が飛び出した。
その強烈な臭いに、ウツツは一瞬顔を顰める。その臭いを嗅いだのはウツツだけではない、仲間の二人もだ。
「クズリの、糞……ッ」
鼻を洗濯バサミで挟んだ紅丸がその身に擦り付けていたのは、クズリの糞だった。クズリの糞はかなり強烈な臭いを発する。一般人にとっても辛い臭いなのだから、嗅覚型のウツツには更に耐え難いはずだ。そして風上に移動した紅丸の体についたクズリの糞の臭いに気をとられたウツツは、三人が風下から飛び出てもそれに気付くことはない。
ユヅルのチャクラ糸が三人を縛り付ける。はじめがウツツに駆け寄って、そのホルスターの中身から天の巻き物を取り出した。が、その瞬間。
「くそぉ……ってんめえ……!」
声をあげたのは先ほどウツツに地の巻き物の臭いを嗅げないかどうか問うた少年だ。
「まずい、はじめ!」
ウツツともう一人の少年と共に縛り付けられているのは一本の丸太。つまり変わり身の術というわけだ。はじめの水車輪を回避し、槍を口寄せしてはじめに襲い掛かる。
「唾液弾――!」
しかしマナの唾液弾がべしゃりとその槍に命中し、少年は溶解しはじめた槍を遠くに投げる。そして幻術の印を組んだ。はじめの顔がハッとしたかと思いきや、はじめは苦しそうに顔を歪めて、見えない誰かに許しを乞う。その相手が彼の姉だと想像するのは容易い。
「はじめっ!」
ユヅルはウツツたちを縛るチャクラ糸を右手だけで操り、左手のチャクラ糸をはじめとその手が握る天の巻き物に繋ぐ。少年が天の巻き物に近づけないよう、マナが唾液弾を放った。
チャクラ糸を通じてチャクラを流し込むと、現実のチャクラの感覚に幻術から放たれたはじめが、ユヅルのチャクラ糸の力に沿って後ろへと跳ねる。
「三十六計逃げるに如かず――!!」
「っ、ヤバス!」
マナの叫び声にはじめが起爆札を発動させる掛け声(と本人はマナの誤植によりそう思っている)をあげ、それに呼応するようにして起爆札が爆発した。
それと同時に、ユヅルの爆笑も響いた。
+
木の枝を蹴ってサスケは走り出した。草忍は赤い写輪眼を晒した彼に向かって余裕の笑みをみせると、印を結んだ。そしてその草忍が両腕を大きく広げるなり、その周りから衝撃波が起こる。
それを写輪眼で見越していたサスケは宙に舞い上がり、チャクラを纏った足で大樹の枝や幹を蹴ってくるくると空中で回転し、方向転換しつつクナイを投げていく。
草忍は相変らず余裕の顔つきでそれを避けていたが、不意にチャクラを纏った足で木の幹を蹴り飛ばし、掛け声と共に襲い掛かってきた彼の体術に余裕の顔を崩して、サスケの蹴りをクロスさせていた両腕でガードする。
己の後方へ飛んでいくサスケに飛ばした蹴りも間一髪のと
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