第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
大蛇丸
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戦を考え付いたとて実行出来るだけの実力がなければいけない、違うか?」
「なるほどね。そして実力のある奴については論外だな――初日で突破できる実力派に俺達が太刀打ちできるとは思えないね。基本的に俺達の中で一番攻撃力があるのははじめだけど、リーさんほどじゃないし、それ以外は大して攻撃力がないでしょう? それに俺達って元々こんなサバイバル演習や長期戦には向いてないんだよね。ほらマナ、五日間も食べ物を得るのが難しいなんて状態、我慢できる?」
交互に説明するはじめとユヅルの話を黙って聞いていたマナの顔が、ユヅルの最後の一言を聞くなり真面目な顔から絶望的な顔になる。
「無理。ぜってぇ無理。……まあミント野郎からして長期戦には向かないタイプだろうな。スピード重視の奴だし。……まあ、となるとアタシに作戦があるんだけど、聞く気ねえか?」
マナの作戦? と二人が驚いたように顔を見合わせる。紅丸が不安そうな顔をした。
「ああ。心して聞けよ」
+
大樹によって日光の遮られた森の中を、下忍達が歩いていた。
「ったく、地の巻き物持ってる奴、みつかんねぇなあ……。ウツツ、地の巻き物の臭いとか嗅げねえのかよ?」
「お前、ウツツもそういうのは嗅げないってさっきも言ってたろ? ま、ウツツに任せとけって。ウツツの感知能力は同期でも一番だしな!」
「褒めすぎよ。あたくしは本当に、地の巻き物の臭いなんてわからないんだもの」
ウツツ、と呼ばれた少女は長い髪を翻して言った。どうやらウツツがリーダー格のようである。彼女たちが天の巻き物を持っているということは、偵察に出向かせていた紅丸が持ち帰った情報だ。といってもマナは紅丸の言葉を解することは出来ないので、「天の巻き物かYESorNO」と質問していたのだが。
「感知能力は同期でも一番っつーか、同期に感知タイプがいなかっただけだろ」
ぼそっとマナは呟く。会話から察するに、ウツツは嗅覚型の感知タイプだ。嗅覚型の欠点は臭いを撹乱されたり水の中に入られたり、風下にいるとその臭いを嗅げないということで、マナたちは風下に潜んでいた。
食遁の印を結ぶ。唾を口内にため、チャクラを練りこみ口内を唾で満たしていく。蛙のように膨らんだマナの顔は正直ギャグでしかない。紅丸に合図を出すと、マナに変化した紅丸はこくんと頷いた。
唾液弾が放たれ、ウツツの傍で歩いていた少年の――ウツツを賞賛した少年のホルスターに直撃した。その一撃でホルスターは中身もろともどろどろに溶解する。
「っう、うわああああ!」
「っな、なんだ!? ホルスターが、溶けた……!?」
「あたくしにもわからなかった存在――つまり風下。そして、撃ちだされた方向は――っ」
ウツツがこちらに視線を向ける。そしてすかさずマナに
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