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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
イビキ
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ない奴は大人しく“受けない”を選んで来年でも再来年でも受験したらいい」
「大丈夫だ、はじめ。第十問だってきっとシノくんが手伝ってくれる」

 低い声で言い渡すイビキに些か動揺したらしいはじめに、ぐっと拳を握り締めてマナが目をきらきら輝かせる。シノは頭を打ち付けたくなってきた。

「受けない奴は手をあげろ」

 そんなイビキの声が静かに教室内に轟く。そして暫くは沈黙の支配していた教室だが、しかし数分後、誰か一人が手をあげた。搾り出されるようなその声に伴って、その少年と仲間二人が連れ出されていく。それを皮切りに、次々と手が上がった。
 受験生が次々と去っていく中、ルーキー達は一向に手を上げる気配を見せない。とりあえず某男子ドベと、自力で問題を解いてしまうサクラやシカマルを除けば全員がカンニングをしており、勘のいい者は既にこの教室内に中忍がもぐりこんでいることに気付いている。そのことに気付かない者も、例えばいのはサクラに心転身し、シカマルは影真似でチョウジを操ったり、マナとはじめは各々のテスト用紙をシノに押し付けたりと、カンニングの方法は見つけている。
 だから十問目もカンニングをすれば正解すると思っているのもあるし、更に言えばそれはこの年特有の危なっかしさであり自信だった。これくらいの年の子供には、何でも出来てしまいそうなそんな自信を持っているのだ。それに根拠なんてものはないけれど、それが彼等の爆発力ではあった。
 不意に、ナルトが手を上げる。ルーキー達が目を瞠った。
 しかしその口から出てきたのは弱気な言葉ではない。その目に宿っていたのは暗く沈んだ色ではない、寧ろ。――寧ろ力強く燃え盛る光だった。

「っなめんじゃ、ねえ――ッ!」

 ばん、と振り上げた手をそのまま机に叩き落す。教室内に響き渡る大音量。入ってきたばかりの時は全てを敵に回した声が、逆に全てを鼓舞する声へと変わる。

「俺は逃げねえぞ、受けてやる! もし一生下忍でも、意地でも火影になってやるってばよ!」

 青い瞳は空よりも青く海よりも明るく煌き、そしてその自信に満ちた光はゆっくりと、今にも手を上げようとしていた受験生達へと伝播していく。皆我知らず唇が緩むのを感じた。
 その指先が、イビキを指差す。

「っ怖くなんか、ねぇぞ!」

 そして受験生達の心は定まった。逃げはしない。十問目を受けてたとう、例え中忍になれずとも、何もそれが終わりを意味するわけではない。イビキがもう一度問いを投げかける。しかしその問いに挙げられる腕はない、かわりにあるのは――

「真っ直ぐ自分の言葉は曲げねえ、それが俺の忍道だ!」

 金髪の少年の、問いに答える明るい声のみだ。その問いがもう意味をなさないと察したイビキは口元に笑みを漂わせる。

「ではここに残った全
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