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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
イビキ
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ないかと疑ってしまうくらいだ。

「きょ、許可しよう」
「さあはじめ、これは薬だ!!」

 という言葉と共に、シノの頭は机の上に思いっきり押し付けられた。シノのサングラス越しに自分の試験用紙がドアップで映る。更に頭上でのやり取りは継続される。

「げほっ、げほ……! すまないな、マナ、いつも世話になって……」
「何言ってんだよ、はじめ! アタシら仲間だろ!? これくらい当然じゃないか……!」
「マナ!」
「はじめ!!」

 なんだこれ。シノは深いため息を吐いた。いい話だってばよ、というナルトの泣き声が聞える。「うおおお! これぞ青春! 仲間との友情です!!」という声も聞えたし、更にはチームメイトのキバが「いい話だなあ、赤丸ぅ……」とわんわん泣く声すら聞えてきたものだから、シノは大きく溜息を吐くより他にない。しかも今度は試験官の涙声まで聞えてくる。どこがよかったんだこの演技は。そしてこれをする必要が一体どこにあったんだろうか。そこかしこで聞える「くだらん」「何やってんだこいつら」という呟きには断然同意である。

「用が済んだならさっさと座れ」

 というイビキの言葉に、ご迷惑をおかけしてすいませんでしたというはじめの声がする。二人が席に戻るのと同時、シノはやっと机から頭をあげることが出来た。サングラスをくいっと調整するのと同時に、異変に気付く。

「……?」

 見るとテスト用紙が二枚増えている。名前記入欄を見れば、そこには「狐者異マナ」と「一文字はじめ」の名前がある。テスト用紙には、それぞれ「シノくんよろしく」とハートマークつきのメッセージと、「かたじけない」という、簡略化された人間が膝をついて頭を下げるイラスト付きメッセージがあった。ちらっとマナに視線をやれば、その手にした瓶の中にいつのまにかシノの虫が収まっている。半ば涙目になりながら、シノは二枚のテスト用紙に答えを写しだした。

 +

「これは絶望的なルールだ」

 イビキの言葉に、生徒達は固唾をのんだ。
 そして彼が提示した道は二つ。

 一つは、受けない、という道。
「“受けない”を選べば、その時点で持ち点は零となる、つまり失格だ。そして他の二人も道連れ不合格」
 もう一つは、受ける、という道。
「但し、“受ける”を選んで正解しなかった場合、今後の中忍試験の受験資格を永久に剥奪する」

「ンな馬鹿な!」
「ここには何回もここを受験している人だっているはずです!」

 キバが机を叩き、ユヅルが眉根に皺を寄せて叫んだ。彼等に同調した受験生達が野次を飛ばし、しかしイビキは気にした風もなく、クククと不気味な笑い声を零す。

「運が悪いんだよ、お前等は。今年はこの俺がルールだ! その代わり引き返す道も与えているじゃねえか? 自信の
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