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第六十六話 氷の世界のいざこざ
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ど」

太陽や月の光が届かない場所でも少しだけ飛ぶことが出来る特性を持つインプを選んだからこそ、着地できたのだとソレイユは言う。

「さて、それよりも問題はこれからだな」

いつの間にかトンキーは長い鼻を体の内側に丸め込むと動きを完全に停止していた。これ以上、トンキーの背中の上にいても無駄と感じたソレイユたちは顔を見合わせてからトンキーの背中から降りた。

「・・・こいつ、何がしたかったんだ・・・」

「おーい、トンキー。あたしたち、どうすればいいのようー」

そんなことを聞いても答えが返ってくるはずもなかった。リーファがトンキーの背中を叩くと先ほどまでの弾力性はなく、かちこちに硬くなっていた。

「じゃあ、散歩でもしてくるわ」

そう言ってソレイユはキリトたちが止めるまもなくふらふらとどこかへ歩いていった。



大した収穫もなくソレイユがトンキーのところに戻ってきてみると二十四人のウンディーネがトンキーを攻撃しているところだった。

「ふむ」

物陰に隠れながら事の成り行きをみていると、少し離れた場所にいるキリトたちを見つけたが、とりあえず、キリトたちの方は無視しウンディーネのパーティーの方へと目を向ける。

「しかし、こうして改めて考えてみるとルシフェルたちの実力ってものすげぇのな」

ソレイユを含めてたった三人でヨツンヘイムを歩けたのだ。今トンキーを攻撃しているレイドパーティーをみるとそう思えてならない。ウンディーネのレイドパーティーは先ほどリーファが言っていたように重武装の壁役プレイヤー、高せん滅力の火力プレイヤー、支援・回復役プレイヤーがそれぞれ八人ずつそろっている。どうやら、通説通りのパーティーらしい。

「でも、襲撃されると考えてないパーティーだよなー、どうみても」

背中ががら空きで無防備すぎる。このゲームってPK推奨だったはずだよね、などとソレイユが思っていると端っこに避難していたキリトたちが行動を起こしていた。

「セエェェッ!」

草色の長刀を両手で握ったリーファがリーダー格と思われる小型の弓を装備した斤候(スカウト)らしきプレイヤーに向かって上段から攻撃を仕掛ける。想定していなかった攻撃にウンディーネたちはばた足つく。
だが、対するウンディーネたちも高何度のダンジョン【ヨツンヘイム】に挑戦するだけの実力がある。素早く体勢を整えると、標的をトンキーからリーファとキリトに変え、ショートレンジの高速呪文で迎撃する。

「なんて言うか、あれだな・・・」

キリトたちの戦い隠れながら見物しているソレイユはウンディーネたちの背中をみながら思いついた感想を述べる。

「背中が無防備すぎだな。警戒している様子もないし」

ならば、とソレイユは魔法スキルのスロ
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