第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
ルーキー
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くすると、さっきの表情からは一転、自信満々な顔つきになった。
「もちろん、とっくに気付いてるわよ。だってここは、二階じゃない」
ここは二階。
そう意識した途端に、ぐわんと世界が歪んだ。プレートが301から201に変わり、おおっと感嘆のどよめきがあがった。
「っ、なかなかやるな! っくそ、離せ!」
「紅丸!」
だだだっと素早く階段を駆け上っていきつつ紅丸に声をかけるのは言わずもがな九班である。にこにこ笑顔の彼等は相変らずのマイペースで、紅丸は少年の手を離すなり、とんとんとんと下忍達の頭を飛び移って階段へと走っていった。
「……見破っただけじゃあ足りねえんだよ!!」
さっきまで紅丸に噛まれていた少年が、腹いせのようにサスケに向かって蹴りを飛ばした。
+
「ポテチの匂いがするぞおおおお!」
志願書をぽーんと放り出して301に突入したマナが一直線に向かった先にいたのはチョウジだ。むしゃむしゃとポテチを頬張るチョウジのポテチをずばばばばと一気に口の中に押し込み、一応最後の一枚だけはフリスビーのように投擲してチョウジにパスした。
「うん、チョウジこれマジ美味しいよ」
「わん」
という紅丸も、マナの頭の上でかりかりとポテチを食べていた。マナの髪が食い滓だらけになるぞ、つーかお前食べていいのかと思わんでもなかったが、ユヅルはあえて突っ込まないことにした。
「……マナ、これはさすがに酷いよ……」
最後の一枚以外を全部一口で呑み込んだことに対して、ふるふると震えながらチョウジが言う。その傍で、あんたも相変らずよねえ、といのが肩を竦めた。
「んだよめんどくせーな、お前たちも参加すんのかよ」
「そうだな、中忍になったら任務料弾むし、食費も増えるし。そう考えりゃ悪くねーだろ、へへん」
相変らず脳内は食べ物一色のマナだった。
「……あんた本当に相変らずよねえ。あ、はじめ。この間はじめの妹って子にあったんだけど、それにしても凄くよく似てるわねー」
「…………!」
はじめの頬が引き攣った。何かにぐさっと刺されたような顔つきだ。それも仕方ない、いのの会ったはじめの妹、というのが化粧を落とし忘れたはじめ本人なのだ。マナが咄嗟にはじめの妹だと詐称したのだが、その後いのに絡まれ大変だったらしい。とりあえず喉仏を見られそうになってひやひやしていたところだったという。
一緒にいたシカマルかチョウジあたりは、案外もう気付いているのかもしれないが。
「サスケくぅん、おっそーい!」
ドアから入ってきたサスケに目をきらきらさせながらいのが飛び掛った。ぎゅーっとサスケに思い切り抱きつき、サクラに離れろと怒鳴られている。そんなサクラにいのはあっかんベーの一撃で、サク
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