第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
ヒルマ
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ちゃんと覚えとけ。お前があれつかってもっと女らしく変化してみせりゃ、他の奴等もお前が女顔とは思わなくなるかもしれねえし」
「……しょ、承知した……。パネェの術……」
最後の一言が効を奏したらしい、はじめはぶつぶつと呟きながら修行を始める気満々だ。指先で小さく変化の印を結んでみたりしている。なんかいつか凄く大恥かきそうな気がするが、はじめをいじくるのも楽しいのでこのままにしておこう。
+
「シソ・ハッカ率いる第九班、一文字はじめ、狐者異マナ及びいとめユヅルを推薦する!!」
オニヤンマ共々窓から火影邸に突入したハッカの高らかな宣言に、そこにいた何十人もの担当上忍達が一瞬で硬直した。
「……イルカよ……カカシの班のことはカカシに任せておけ」
「……はい」
イルカとカカシ及び三代目のやり取りは継続され、完璧にスルーされるハッカだった。
「……とりあえず、ハッカ上忍、それには賛成しかねますね」
「……え?」
歩みでたのは日向ヒルマだった。彼は担当上忍ではないが、推薦された下忍の健康状況などの評価を努めるのは彼だ。
「皆さんも、ユヅル君が犬神を用いた戦闘を行ったことは承知の上と存知ます」
全体を見回して話しかけると、ざわざわと上忍たちの間で話し声がした。そのことは既に噂になって広まっていたが、多くの上忍は、所詮噂は噂と半信半疑であった。それがヒルマの言葉によって真実だと言われ、驚くのは当然なのかもしれない。
ヒルマは若いながらに卓越した医療忍術の才能をもち、今回の中忍試験では医療班を仕切ることになっている。
「ハッカ、あの噂は本当だったのか……!?」
「犬神持ちが木ノ葉に現れるなんてな……」
「いとめユヅル……成る程、あの子が……」
アスマ、カカシ、紅もそれぞれ視線をハッカに向けてくる。ヒルマが右手を上げた。数秒して、沈黙。それを見たヒルマは満足そうに笑い、次いで言う。
「それにより重傷を負ったため、病院に入院させていましたが……彼のチャクラが時折ひどく不安定になることに気付きました。また、犬神は犬神持ちの妬みや羨望などの感情以外にも、チャクラが不安定な時にも出てきやすくなります。もし犬神が試験中に出てきてしまったら、最悪の場合彼は一撃でも死ねます。彼を試験に参加させるのは些か不適切かと、一人の医療忍者として忠告します」
「ヒルマ殿、貴様が私の愛弟子を治療してくださったことには大変感謝しているが……彼等は私の部下だ。確かにユヅルにはそのような危険性があるかもしれないが、だからといって永遠に下忍でいさせるわけにはいかない。彼は傀儡師の才能を持っている、あのままにしておくのはもったいないし、犬神の力も使いようだ。上手く利用出来れば彼は素晴らしい忍びになれる」
「だ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ