第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
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くなくなった。唇を尖らせながら子供のように火影を睨むユナトに、三代目も失笑を禁じえない。
「……まあ無駄話はこれくらいにしようかの。本当の目的はこれを文句しにきたわけじゃないじゃろう?」
「はいです。えとですね。上層部にて、いとめユヅルの解剖計画が進んでるです。犬神は通常雲隠れに多いです。木の葉に出てくるのはこれが最初です。これとない解剖の機会です。実をいうと、私もちょっと興味あるです」
「……何じゃと?」
「で一方、ダンゾウさまはいとめユヅルを暗部にいれようと考えてるです。こちらの方が少しマシかもですけど、でも暗部になる前に死んじゃう可能性もあるです」
ユナトは火影邸の使用人であると同時に、その中に三代目が潜ませた間諜でもあった。喉を鳴らす猫のように嬉しそうな笑顔、身に纏う和やかな雰囲気。決して高貴であるとは言えなくとも、その精一杯の努力と優しさが見て取れる何気ない仕草、そして軽薄そうに見えながら口を割らないその点で、彼女は木の葉の上層部全般に於ける信頼を持ち、木の葉の上層部に放つ間諜としては正に最適だった。
その上彼女はかつての担当上忍、御座敷童子から受け継いだ左手の持つ幻術と、ガイやハッカなどと組み手をする内に覚えた体術、そして会得しているいくつかの忍術でそれなりに腕が利く。しかも彼女は右腕を移植させられて後、若くして忍びを辞めてしまっていた為に、今ではその実力を知る者も数人ほどしかいないのだった。
敬語は拙くとも彼女は聡明であり、相手から様々な言葉を引き出すことに長けていた。また、一時期その能力を買われ、志村ダンゾウの下で暗部としての修行を積んでいた為、ダンゾウでからすらもさまざまな情報を引き出し、またある時には三代目とダンゾウのパイプ役ともなってくれるのだった。
「うーむ、どうしたことかのう……ユナト、どう思う?」
そう問いかけてみれば、待ってましたとばかりにユナトは目を輝かせた。言いたくてうずうずしていた様子である。まあ、三代目をそれをわかって問いかけてみたのだが。
「私の知り合いに、いとめユヅルの知り合いの子がいるです。その子ならいとめユヅルも警戒しないはずです。その上狐者異マナの監視も出来て一石二鳥なのです、――それからハッカも、です」
「よく考えれば、七班も九班も危険因子ばかりじゃのう」
七班を構成するは、三忍の名すら霞ませる天才忍者・はたけサクモを父に持ち、写輪眼有するコピー忍者。一族と両親を敬愛する兄に殺されてしまったうちは一族の最後の生き残りたるアカデミー首席。四代目火影を父に持ち、悪戯好きで人々の頭を悩ませる落ち零れ人柱力、及び抜きん出た座学の恋するくノ一だ。
そして九班を構成するは、記憶を封印された、かつての担当上忍に狂ったまでに恋をしている担当上忍。女物の服を着せられ
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