第一部
第一章 純粋すぎるのもまた罪。
1−5
[2/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
開き直って怒鳴りつつ、全力でいやいやをするヤバネにキバが唖然とした顔をしている。犬嫌いの人間がいるということに驚きを隠せないようだ。
「わーったよ、ぎゃんぎゃん騒ぐなって」
ニヤニヤ笑いつつ紅丸をどかすと、鉄拳がマナの顔面に飛び込んできた。忍びではない為に威力はそうないが、任務明けの翌日いきなり怒れる少女の鉄拳とはキツイものがある。
「どぶふぉっ」
キバもそれが自業自得だとは分かっているので何のフォローもしないことにした。
「えーと、いとめユヅルくんは……」
「同じ班のマナさん、同期の下忍キバくん、そして双子の妹のヤバネちゃんですね、わかります」
「「「え!?」」」
長い茶髪に細い瞳の医療忍者がにこにこしながら言った。ヒルマだ。勤務時間が終了したのか、医療忍者の白衣ではなく黒で統一された行衣だ。
「えーっと、どちら様……? つかなんで名前知って、」
「僕のこの白い瞳の前にプライバシーなどもはや存在できません」
屈託なく笑うヒルマは勤務時間ではないためか、一人称もわたくしから僕へと変化している。
「というのは冗談でして、ヤバネちゃんは来たらユヅルくんのところにご案内するよう申し付かった時に写真を見せてもらったのですが、やはり実物が一番麗らかにございますね、思わずちゃん付けしてしまいます。マナさんは狐者異最後の生き残りということですので、知名度ならサスケ君並みですよ? キバ君はそうですね、君の姉上が下忍の頃ちょうど僕と同じ班でいらしたということで。君の事ならよぉく知っていますよ、ハナちゃんのブラコントークにはよくよく巻き込まれましたから」
そこで一息ついて、
「例えば呑みこみは早くて賢いのにどこか抜けてておばかなんだとか、手がつけられないほどやんちゃだけどそれがまたいいとか。犬の尻尾を引っ張って噛まれてぎゃんぎゃん泣いたりとか、喧嘩した時ごめんなさいって言われても直ぐに仲直りしないと反応が一々面白いとか。よく彼女が引っ張り出してるのはあれですね、キバ君に“死ねクソ姉ちゃん”って怒鳴られたとき、アカデミーで習った方法で死んだふりをして見せたら“姉ちゃんが死んじゃった”って大騒ぎしたとか。全く可愛い話ですねー」
ひくひくとキバが頬を引き攣らせ、ヤバネとマナがそれぞれその傍でぷ、と笑みを零した。
「因みに誕生日は七月七日の七夕で、かに座のB型。好きな食べ物はビーフジャーキーと軟骨、嫌いなものは噛み応えのないもの、趣味は赤丸くんとの散歩であっていますね? 同じ班のは確か日向宗家の長女であるヒナタ様と油女一族の嫡子油女シノ。赤丸くんの弟たる紅丸くんがマナさんに贈られた時は“キバにガールフレンドが出来たかもしれない!”と大層動揺しておりましたので安心させてあげた方がよろ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ