暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第51話 リュウキの伝説
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キは、勿論、レイナが言う『一方通行』の真意をはき違えて答えていた。確かに意味的には、間違えてはいない事だが……。

「そ……そう言う意味じゃなくて……。あぁぁっ……もうっ!」

 レイナは頑張って説明をしよう、と思ったのだが直ぐにそれを止める。

 とても、貴重な時間が減っていく、早く減っていくと感じたから。
 レイナにとって、どんな宝石よりも、ダイヤモンドよりも貴重な時間が無くなっていくのが怖い。レイナだってギルドに所属している、副団長補佐を勤めているのだ。
 だから、私事で規律を乱すわけにもいかない。勝手な行動をとって休みを入れる訳にもいかないから。

「りゅ、リュウキくんっ! いこうっっ!」

 レイナは、手を差し出した。思い切りの勇気をもって。

「………ああ」

 リュウキは、半ば観念する様に、そのレイナの手をとった。

 こう言ったシチュエーション、無いわけじゃない。以前に会った少女、ビーストテイマーのシリカの時もそうだった。
 その差し出された手を拒否しても喰らいついてくるようで、大抵拒否できずに最後は握るんだからと。この時、拒否をしたら、レイナは『まだ、早かったのかな……』と落ち込みつつ、諦めていただろう。

 今回のこれは又々偶然にも、リュウキが答えてくれたのだ。それはレイナにとって僥倖であると言える。

「さぁ、ど……どこいっか??」
「……全て任せる。何処でも良い」

 レイナは、手を握れた事に、喜びを隠せられず、そしてリュウキは、顔を背けていた。

 そんな姿を見たら、あのリュウキの戦闘の時の姿が嘘の様に感じる。他人の好意にぜんっぜん気づいてないのに、恥かしがり屋って言うのがまた一段と高威力で、レイナの(ハート)に、ずきゅんっ! と来るのだ。
 シャイなのがやっぱり凄く可愛らしい。

「ッ……///」

 レイナは、リュウキを見て思わず顔を赤らめた。

「………」

 リュウキも顔を背けているからそんなレイナには気づかない。傍から見れば、2人のその姿はとてもぎこちない。でも、しっかりと手は繋がっているから、とても初々しく見える事だろう。
 恋人同士になったばかりの2人。そう連想もしやすい。

 そんな時だ。

「あれ……? レイ?」

 2人の傍に近づいてくるプレイヤーがいた。それは、NPCでは無かった。
 そのプレイヤーは、2人ともよく知っている人物だ。……いや、知っている所じゃない。 レイナの事を《レイ》と呼ぶのは、この世界では、かなり少ない。
 レイナは、その声がした瞬間、振り返った。
 
「お、おっ! お姉ちゃんっ!? 何で、どうして此処にっ? 今日の朝、別の層に行くって……」
 
 そう、ここに来たのはレイナの姉。


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