第八話 〜花言葉 〜Language of flowers〜 -終花-【暁 Ver】
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、一陣の風が吹いた。舞った桜の花びらが、あたし達を包み込む。
──── 俺さ……いや。俺たちさ、必ず幸せになっから。安心してくれよ
──── 馬鹿な弟だけど……宜しく頼むね? エミリー
──── ……はい!
「どうしたの、ティア」
「……ううん。何でもない。きっと……気のせい」
桜の木と三人の墓標を見つめる。もう、何も聞こえないし風も吹かなかった。誰一人として救えなかった。これはあたしの『エゴ』でしかないとは思う。だけど、スギタさんには生きていて欲しかった。もし、スギタさんの前に立ったのが、お兄さんではなくあたしだったら。……それでも──── 彼は季節外れの桜のように何の未練もなく散っていったのかも知れないけれど。
そんなあたしを心配そうに見ている二人の視線に気付いた。大丈夫という意味を込めて笑う。上手く笑えていたはずだ。そうして、あたし達は。誰一人振り返ることなく、今度こそ桜舞う墓地を後にした。
〜花言葉 〜Language of flowers〜 -終花- 了
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