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空を駆ける姫御子
第八話 〜花言葉 〜Language of flowers〜 -終花-【暁 Ver】
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。ティアがジト目であたしを見ていたので、慌てて首を振る。

『終了だ。気分はどうだい?』

「ええ、問題ないわ」

 相変わらず我が親友はちっとも素直じゃない。

「あれ、ティア。親友のピンチに駆けつけたのにそれだけ?」

「ハイハイ。感謝してるわよ。ところで、これ外してくんない?」






 それにしても酷い目にあったわ。あたしは拘束されていた手首を摩りながらベッドから起き上り床に足をつけようとして──── 上手く立てないことに気が付いた。足が震えているいてまるで力が入らない。手も震えている。何だろう? Heavens Doorの影響が残ってるいるのだろうか。

「ティア……」

 スバルが泣きそうな顔をしてあたしを見てる。どうしたって言うのよ。困惑しているあたしへ、スバルが呟くように言った。

「ティア、泣いてるよ」

 ……ああ、そうか。あたしは──── 怖かったんだ。

 短針銃を撃ち込まれてすぐに耐え難い快楽が襲ってきた。冗談じゃないという理性と、このまま流されてしまえという欲望が(せめ)ぎ合い……男が、あたしにのしかかってきた時、全てを諦めかけた。スバルとアスナが来てくれなかったら──── 今頃、あたしは。

 あたしは泣いた。スバルとアスナにしがみつきながら。二人の温もりを確かめるように幼子のように……泣いた。ごめん、今だけ。今だけだから。そして……スバル、アスナ、ボブ。……ありがとう。






 あたし達が六課に戻ってきたのは、明け方近くだった。帰ってきたあたし達を迎えたのは……玄関の前で腕を組みながら仁王立ちした八神部隊長と、愉快な仲間達だった。理由の説明を求めるようにスバルを見ると、露骨に目を逸らす。まさか……無許可で飛び出してきたのか。待機命令無視とは、たいしたものだ。

 帰る道すがら、お兄さんが一枚噛んでいたのは聞いた。だが、あの人は事後処理を二人に丸投げしたらしい。本当は二人を怒るべき所なんだろうけど、今回は怒れない。その御陰であたしは助かったのだから。お兄さんにも感謝しないと。そんな事をつらつらと考えていると、シグナム副隊長と目があったアスナが、脱兎の如く逃げ出した。獲物を狙うハンターのように追いかけていくシグナム副隊長。最近はアスナが何かしらやらかすと、シグナム副隊長がお説教をするという図式が確立しつつあった。

 シグナム副隊長に正座させられ説教されている二人を横目で見つつ、あたしは事の顛末を八神部隊長へと報告した。勿論、『彼』の事も。その後あたしは、妙に過保護な八神部隊長の指示で検査を受ける為に、メディカルセンターへと行き簡単な検査を受けて、六課に戻ってきた頃には──── 全てが終わっていた。終わってしまっていた。彼──── スギタ
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