第八話 〜花言葉 〜Language of flowers〜 -終花-【暁 Ver】
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す。妹共々、養子ではありますが。普段はミドルネームを名乗っていませんけどね」
それを聞いたスギタの目が見開かれる。
「バークリーってあの元財閥の? ……驚いたな。そうか、それなら可能かもね」
バークリーを母体としている関連企業の幾つかは管理局へ技術提供をしている。随分昔に施行された新法によって財閥を解体されてからは医療機器メーカーとして出発し、現在ではミッドチルダに於いて代表的な多角経営企業の一つとして成長していた。言い換えれば、様々な分野に強力なパイプを持っていると言っても良い。それを使えば簡単とは言わないが、不可能ではないだろうとスギタは考えた。
「創設者の親族ではあるんですが、諸事情がありましてね。経営などには一切携わっていませんし、資金援助もないんですが……調べ物などには、協力してくれるんですよ」
「そうか……養子? 君はもしかして」
「えぇ、次元漂流者です。元ですが。あなたと……いや、あなた達と一緒ですね」
スギタの目が細められる。
「本当に知っているんだね。どこまで?」
「恐らく……全て」
桐生は続ける。
「昔は、就職に苦労しましてね。人様に自慢できるような大学も出ていなかったので。その頃の教訓を生かして使えるコネは全て使う主義です。他人の事をこそこそ調べるのは気が引けたんですが……無理を言って調べて貰いました。あなたと一緒にこの世界へ来た弟さんの事も、その彼女の事も。ですが、あなたの弟さんもその彼女も一年前に……一体、何があったんですか?」
スギタの顔は病人のような土気色になっていた。そして、訥々と語り出す。
「……大方予想はついているんだろうけど。つい最近までわからなったんだ。なぜ弟が……カイトとエミリーが自殺してしまったのか。本当にわからなかったんだ。六課での話は聞いていたんだろう? あの時……メッツェルダーの個人端末からデータを見つけたのは僕なんだ。その中に彼女の名前があったよ」
──── エミリー・ギオー 22歳 【人の女を思い通りにするのは、最高の博打であり、快感だ】
「巫山戯てると思わないかい? 仮にも管理局の一等陸佐ともあろう人間が、だ。データ中にはね、この事件の共犯者の名前も記録されていた。僕の先輩……リチャード・エヴァットの名前もね。この男は女性を物色するのが役割だったみたいだ。エヴァットがターゲットとなる女性を見つけ、メッツェルダーに知らせる。そして、Heavens Doorを使い……乱暴する。どうやって服用させたかは知らない。知りたくもない。そしてエヴァットはそのおこぼれに預かる。Heavens Doorの特性を考えれば、合意の上だったと主張する事も出来るしね」
そこまで黙
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