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弱者の足掻き
九話 「小さな一歩」
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する。
 見れば敷いてあった畳が何枚もどけてあり、その下には鍵付きの板が。それもどければ下に広がった空間には色々とした忍具などが置いてある。まあ、何度か買いに来た時見た光景だ。
 火車が言う。

「苦無程度なら探せば買える。けど、それからもう一歩踏み込んだ物は探しても置いてへん。なんせここの国に忍者はおらんさかい。その一歩二歩分痒いところまで手を届かせる。それがうちの商売。あんたが期待してたらすまんが、そこまで大層な物はこしらえできへんで」
「大層って、どのくらいですか」
「まあ、よっぽど期待せな大丈夫や。入手困難な巻物とかはちいと無理や。浅く、広く。まあ、忍具屋、いうよりは何でも屋ちゅう方がにき。店持たん分色々なとこ回っとるからなぁ。波の国は需要がすけないさかいしょうがないんよ」

 まあ、国の中では珍しく忍がいない国だ。そう言った物の需要が低いのはしょうがないだろう。需要がなければ供給も減る。質が下がるのもしょうがない……のだろうか。まあ、今はそこまで大層なものが欲しいわけじゃないから別にいいか。

「まあ、おなごに飲ませる酔い薬、くらいやったらいくらでも仕入れたるで」

 いるか馬鹿。

「遊び心も大事やで」

 まだ結構です。
 そんな事を思いながら引っペがした畳の下の品や火車に持ってきてもらった品を買う。

「苦無、チャクラ感応紙、チャクラ刀、毒草等に関する巻物……」

 他にも色々とカバンに詰め込んでいく。そこまでの猛毒の作り方はなくとも野生の毒草の知識が増えるだけでもありがたい。調合とか全然分からんし。

「ほい、代金」
「まいど」

 一通り詰め込み代金を支払う。結構するなぁ。
 そういや代金の内訳どうなってるんだろ。火車が仕入れて葛西のジジイが場所の提供とかだろうから火車の取り分の方がでかいのだろうか。

「何でも屋って言うなら、いくつか頼みたいものあるんですあg」
「何です?」
「ダイヤ……はほんの少しだけどあるからいいか。サファイアかルビーを」
「値が貼るんやよ? それにそんなら普通の店やて……」
「普通の店のは綺麗で値が張りますし安いのは不純物が怖いです。色の悪い粗悪品でいいんである程度の量が欲しいんです。後、調べて欲しいことが。それと起爆札といくつか毒もお願いします」
 
 調べてほしいことを話す。
 火車が少し悩む。

「宝石と調べの方は了解したんや。せやけど毒とかは……」
(―――っ)

 ぬらり。
 不意に火車が体を乗り出し俺の顔を覗き込む。
 感情の読めない目が間近でこちらを見据える。

「ん〜……」

心の中まで覗かれている様で余り気持ちのいいものではない。

 少しして火車が身を戻す。

「まあ、シズはんの紹介やからええ
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