産声
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。
単純にそう思った。
『明日がなくなる』なんて、漫画の中でしか聞いたことがなかった。
でもあの死神の…血梨は至って正常であり、真剣にそう言っている。
”明日という時間軸がなくなる”━━━━
「明日がなくなるのはごめんだよ、あたしは。」
希美はそう言って血梨を見つめた。
「血梨。あんたはあたしを護れるの?」
「谷の名を汚すわけにいかないからね。守護神になった以上、あんたに憑いてあげるよ。」
ニヤリと希美が笑った。
「みんなさ、色々あると思うんだ。優花の気持ちもわかるし、お姉ちゃんがさっきみたく思ってくれてるのは超うれしい。でもさ…あたしは訳わかんない奴らに関川町を壊されたくない。っていうかあたしの知らないところで話が進むのはムカつく!だから、あたしは…」
「…何一人で持ってこうとしてんだよてめぇ。」
ふと見ると、それまでの暗い表情は皆から消えていた。
「勘違いしないで。納得なんかしてないわ。私も有奈も。でも、気持ちは希美と同じよ。」
「希美だけにいいトコ取りはさせないよー!」
「まぁ兄妹こうして集められたのも何かの縁ってな。」
「明日がなくなっちゃうのは嫌…優花も頑張るよ!」
「暴走する下を纏める姉の身にもなって欲しいわね。」
「うちら小学の時からの仲でしょ?あんたがやるならうちもやる!優人は嫌がりそうだけどうちが引きずって連れてくからさ。」
「え?ちょっと高子ちゃん!僕一言も嫌だなんて言ってないよ!?」
今この瞬間、宇宙の小さな星の小さな国の小さな町で、『世界の救世主』たちがまだまだ小さな産声をあげた。
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