第二章
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「珍しいわね、そういうのも」
「へえ、俺は珍しいのかよ」
その言葉に俺も乗った。売り言葉に買い言葉だ。
「じゃあその珍しい男と今夜は」
「勝負よ。いいわね」
「ああ」
頷いてやった、そうして勝負がはじまった。
相手にしてみると。これが滅法手強い。こんな相手ははじめてだった。
「駄目よ、まだ」
「まだなのかよ」
俺はそう反論した。デートをしながら抗議をする。
「今二時間だぜ」
「それで?」
「二時間で胸までかよ」
「結構やるわね」
しれっとした感じだった。またかなり自信があるようだった。
「胸までたった二時間なんて」
「たったかよ」
「ええ」
またしれっとした感じで答えてきた。
「そうよ、たった二時間」
「ちっ」
思わず舌打ちした。そうして気持ちばかりが焦る。
「言ってくれるよな」
「言ってくれるついでにね」
「何だよ」
「キスはもっとかかるわよ」
楽しそうに笑いながら言ってきた。やっぱり俺を挑発していた。
「それはわかるわよね」
「わかるかよ」
俺はこう言い返した。
「そんなのよ」
「わからなくてもいいわ」
まただった。随分余裕だ。
「わからなかったらそれはそれで」
「あんたの勝ちっていうのかよ」
「そういうこと。それでもいいの?」
「ふざけるな」
それに対する俺の返事は一つだった。
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