第七十一話 歪む歯車
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ザフト側もコロニーレーザーがいつ発射されるのか分からないこともあり迂闊に侵入できないのだろう。
「ま、その方が気が楽か……」
ファントムペインにしろザフトにしろ、この場に居たならば面倒なことになるだけだ。ファントムペインならば何故止めようとしているのか説明しなくてはならず、したところで中立都市を守ろうとすることに納得するかどうか怪しい。ザフトにかんしては言わずもがなだ。
「一撃だ、それ以上はいらねえ……」
ネオ自身、自殺しに来たわけではない。ただ単に止めるだけならライゴウを自爆させるだけでいいのだ。自分も生き延びるためにコロニーレーザーを止め、脱出しなくてはならない。その為には余剰のエネルギーは経っ出の為に総て他に回し、ただ一発のみビームライフルのエネルギーを用意させる。
狙いは砲塔そのものではなくコロニーレーザーの中核。普通に狙うにしても無謀としか言いようがない。確実に誘爆が巻き起こるだろう。しかし、仮に狙いを外すことなく撃ち抜いたならば機能の停止は確実なものとなるはずである。少なくともコペルニクスに砲撃が届くことはないはずだ。
「頼むぜ……最後まで付き合ってくれよ――――」
自身の愛機であるライゴウに対してそう呟きながらネオはビームライフルを正面に構える。両手でビームライフルを持ち、姿勢制御を行いながら計算する。何故かこの機体に対して既視感に囚われるが、ネオは余計なことに神経を割くことなどせず計算を続ける。
(機体がまるで自分の手足のように感じるが、今はそれは喜ぶべきことだ)
ようやく計算が終了する。射撃後は確認をした後、即座に後退。ライゴウの機動力で間に合うかどうかは分からないが、少なくとも他の機体よりは可能性は高いはずだと考える。ともかく砲口の射線上から逃れれば膨大なエネルギーの誘爆も抑えられるはずだろう。
「ッ……………」
息遣いが煩わしく感じる。呼吸一つ一つが耳障りだ。震えているのは緊張からか、それとも自分の感覚が鋭くなって過敏に反応しているのか――――
「早い所終わらせて熱いシャワーでも浴びたいぜ……」
自分の恐怖心や緊張を紛らわせるために呟いたその何気ない一言がやけに耳に残ったりもする。そのせいで余計に苛立ちが増すような感覚だ。
(宇宙は嫌いだ……何処までいっても孤独に感じるからな……)
遂に放たれる一撃。その煌めくビームの一閃は寸分違わずコロニーレーザーの中核を撃ち抜いた。
◇
「発射されたのか!?」
コロニーレーザーから溢れ出る光を見て、イザークはコロニーレーザーが発射されてしまったのかと叫ぶ。だが、その予想に反しコロニーレーザーは照射されずに自壊しだしていた。
「どういうことだ!一体誰がやった!」
『失敗し
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ