第七十一話 歪む歯車
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とする。しかし、それをイザークはあえて避けず、そのままロッソイージスの方に向かってビームソードを抜いて突撃する。ディアッカはイザークのその行動に自身に対する信頼だと受け取り、ハンドグレネードを投げつけてビーム突撃銃でそれを貫いた。
『なッ、クソッ――何だよコレ!?』
ハンドグレネードは多くがMS戦において直接的な威力に欠けるものだが、牽制用の武器としては十分な効果を発揮する。勿論、ハンドグレネードの種類にもよるのだが、ディアッカのザクが投げたのはテルミット焼夷弾であり、それを自ら撃ち抜いたことで爆発のタイミングが調整でき、イザークのグフに攻撃させないようにすることは成功していた。
『ここまでだな!こういう時は近接戦に優れたグフの方が!』
『自然に逆らうコーディネーター風情が!?』
グフとロッソイージスのビームソードとビームサーベルがぶつかるが、勢いをつけて攻撃を仕掛けたイザークのグフの方が押していた。そこから挽回するために足のビームサーベルを展開して切り上げようとするが、イザークがかつての同期が乗っていた機体の後継機の特徴を予測していないはずもなく、逆に振り上げた足をシールドで滑らせるように防ぎ、一瞬空いた空白のタイミングを狙ってショルダーアタックを仕掛けた。
『グッ、だがこれで!』
吹き飛ばされたロッソイージスだが、そこからスキュラをお見舞いしてやるといった様子を見せ、正面のグフに向かって構えるが、今度は横から黒いザク――――ディアッカが蹴りを繰り出して吹き飛ばしてきた。
「グゥレイト!砲撃だけが取り柄ってわけじゃねえんだぜ!!」
『貰ったァ!!』
蹴りを入れて隙を見せたディアッカのザクにアウルがインコムと正面からの銃撃で撃ち落とそうとする。しかし、ディアッカは焦ることなく正面のアウルのG-Vに対して迎撃を行い、インコムは無視した。
「イザーク!」
『分かっている!』
ディアッカがあえて隙を見せることでインコムの軌道を予測させやすくし、それを狙ってイザークが四連装ビームガンを放つ。同じ二対二であってもファントムペインのエミリオとアウルは連携を取ろうとせず、逆にイザークとディアッカは完璧とすら言っていい連携によって形勢を一気に傾けた。
◇
コロニーレーザーの深部にまでたどり着いたネオは既に充填されているエネルギーを確認して思わず舌打ちする。充填が完了しているという事はいつ発射されてもおかしくないという事だ。さらに言えば自身の生存率はただでさえ低いにも関わらず、これによってより大幅に激減することになるのは確実だ。
「幸いなのは敵も味方もいないんだから好き勝手出来るって事ぐらいかね?」
ファントムペイン側は自分以外に突破できたパイロットがおらず、
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