第七話 〜花言葉 〜Language of flowers〜 -花葬-【暁 Ver】
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に少し信じられない。あの時の模擬戦を実際に観戦していたのにも拘わらず。視線の先にいる桐生はいつものように、ぼうっと立っていた。私を見ているのか、いないのか微妙な視線もいつもの姿だ。あれが、あの時と同一人物とは思えない。だが……どんな相手でも私のやる事は一つだけだ。全力で戦う。ただそれのみ。元々、小難しい戦闘理論など私は不得手だ。さて、見せて貰おうか。……私に彼のような油断はない。
「教導官であるなのは先生の予想でも聞こか?」
揶揄うようなはやての物言いに、なのはは頬を膨らませた。文句の一つでも言ってやろうかと考えたが、諦めたようだ。はやてに舌戦を挑んだとしても勝てるわけがない。
「……たぶん、派手な戦いにはならないと思う」
「せやろなぁ。前回の模擬戦を見る限り、決め技や大技みたいな隙が大きい技は、アスナちゃんと戦う場合は致命的やで」
「うん。本来、そんな技や魔法はよほど余裕がある場合か、相手の機動力を事前に奪っておかないと。だから、『とどめ』なんだよ。新人の頃はやたらと派手な魔法を使いたがる傾向があるけど、アスナにはそれもないし」
はやては満足げに笑みを浮かべた。やはり彼女は、『教える者』だ。
「まぁ、シグナムにとっては、どんとこいって感じやろけどな。何しろ、純粋な『剣技』を使うて全力で戦えるんやから」
モニタに映し出されているシグナムの表情は。実戦では見られないような楽しげな笑みを浮かべていた。
────── 模擬戦開始
アスナは両腕をだらりと下げたまま、極端な前傾姿勢となり一歩飛び出した。そして──── 二歩目にはトップスピードに乗る。シグナムが展開した魔力障壁など無いが如く、一瞬で懐に潜り込んだアスナはコンパクトな動作で右正拳を打ち出す。インパクトの瞬間に拳を握り混む空手の突きだ。シグナムが驚いたのは刹那。半身をずらし躱すと、腕が伸びきった状態で固まっているアスナへレヴァンティンによる横なぎの一閃を振るう。
シグナムの目の前でアスナが消え失せる。アスナはそれを柔軟で言うところの……前後開脚でやり過ごしていた。そのままころりと横に転がると同時に跳ね起きると電光石火の勢いで、再度シグナムの懐へ飛び込んだ。
右手を地に着け逆立ちになると、右足をシグナムの顔面めがけて蹴りを打ち出す。シグナムは長年戦場で培われた感と優れた動体視力により、槍のような蹴撃を首を反らすだけで躱して見せた。首の横を風を切るような音をさせて蹴りが吹き抜けていく。そして────
──── 無防備にもほどがあるぞ、桐生?
大技というのは躱されると隙が大きい。今のアスナは右手一本で逆立ちしているだけだ。シグナムは意
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